都営地下鉄全106駅のホームドア設置が2024年2月20日に完了するそうだ。ホームドア設置の進展に伴い、ホームからの転落事故は確実に減り、設置が済んだ路線での転落事故は「0」となっているそうだ。効果絶大だね(2023/11/07)。
ホームドア設置率100%へ
・2023年11月18日 西馬込駅で運用を開始。
東京都交通局が管理する全駅で整備完了となる。
・京成電鉄と共同整備を進めている押上駅も2024年2月20日に完了予定。これにより都営地下鉄全106駅のホームドア整備が完了する。
複数の鉄道事業者乗り入れで導入した工夫について
三田線、大江戸線、新宿線
車両側にホームドアを開けるための機器設置。
編成車両数、車両ドア数、ドアの開閉状況等の情報を無線通信することでドアの開閉を連動させている。
浅草線
複数の鉄道事業者による相互直通運転を実施。車両側の機器設置が困難。
車両のドア部分にQRコードを貼り、編成車両数、車両ドア数などの情報やQRコードの動きを検知して車両ドアの開閉に合わせてホームドアを開閉している。
都営地下鉄ホームドア設置の経過
2000年8月10日 三田線 完了
2013年4月27日 大江戸線 完了
2019年8月10日 新宿線 完了
2023年11月18日 浅草線 完了
参考 国土交通省・ホームドア設置に関するWG 報告書
・東京メトロ丸の内線と有楽町線では、整備完了後には列車乗降時にホームとの隙間に足を踏み外して転落した事象あり。それ以外はなし。
現状と課題
膨大な初期費用と維持コスト
・1駅(上下2線)あたり、数億円から十数億円の初期費用
・ホームドアの本体設置費用は数億円/駅と試算されるが、ホーム基礎部の補強工事を行う場合な1駅あたり十数億円に及ぶ。
・1線あたり年間300〜2000万円前後の維持管理コス
・多額の更新コスト
・新型のホームドアで軽量化、簡素化を図り本体機器費用・設置工事費用等を軽減する取り組みも。
整備の進捗状況
・国の「交通政策基本計画」(2015年2月13日閣議決定)では、2020年度までに800駅、1日あたり平均利用者数が10万人以上の駅の優先整備方針を示していた。
・800駅の目標は2019年に達成。
・10万人以上の駅は285駅あるが、整備率は54%(2019年度末)。
※WG会合は2019年3月〜2020年1月まで計6回実施
感想・まとめ
設置済みの路線で転落事故「0」はすごいね。
設置費用は数億円かかるものの、転落事故で亡くなる人がいなくなるというのは効果が大きい。
とはいえ、利用客が少ないと採算が取れないのだろうなあ。
今後残る10万人以上駅の整備は採算面で大変かもしれない。