バリアフリー設備整備のため、JR東日本に続き、今度は東京メトロが運賃に対する料金加算を発表した。JRと同じく「鉄道駅バリアフリー料金制度」を利用したもので、全線が対象。大人の場合10円程度が加算され、初乗り運賃は現在の170円が180円になる見込み。合わせて発表された3ヵ年の中期経営計画「東京メトロプラン2024」も内容をみておこう(2022/04/07)
運賃変更の概要
・値上げ時期は2023年春、対象はメトロ全線
・2022年4月に制度適用を国土交通省に申請する
・値上げは消費税をのぞけば1995年以来28年ぶり
・具体的な値上げ額は「10円も一つの選択肢」。初乗り運賃は170円→180円になる見込み
・値上げにより、旅客運賃収入は5ポイント程度改善
・「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用する。ホームドア整備は2025年度までに完了。
・新型コロナ流行前と比較した乗客数は2024年度に85%程度と想定、収入は90%まで改善する見通し(日本経済新聞)
参考:鉄道駅バリアフリー料金制度
「鉄道駅のバリアフリー化により受益する全ての利用者に薄く広く負担を頂く制度」
軌道法施行規則第21条第2項第4号に規定する料金及び鉄道事業法施行規則第34条第1項第4号に規定する料金の取扱いについて(国土交通省)
中期経営計画 東京メトロプラン2024概要
設備・業務のスリム化
・保有車両数見直し、メンテ項目見直し、設備の廃止・集約
・利用状況に応じた運行本数の適正化(ダイヤ改正)
・保有資産売却、流動化の検討
設備投資計画
・3年間の設備投資は3600億円。うち4割を安全対策(1360億円)に充てる
有楽町線延伸・南北線延伸によるネットワーク発展・充実
・株式上場と有楽町線の延伸などの準備を進める
感想・まとめ
今度は東京メトロがバリアフリー料金上乗せ。鉄道系はどこも苦しいからホームドア整備しているところは軒並み上乗せしてくるのではないかな。中期経営計画「東京メトロプラン」もハードに関しては目新しい項目はほぼないようだ。
どちらかというと、保有車両数の見直しや利用状況に応じた運行本数の適正化など、縮小再編の色が濃く出ている。
参考