東京都は、解体工事を終えた晴海客船ターミナル跡地につくられるという新たな客船受け入れ施設において、2025年6月1日にクルーズ船の受け入れを再開すると発表した。施設は最低限のものなので、集客施設となるのはなかなか厳しいのではないかなあ(2024/07/26)。
施設概要
用途 客船ターミナル
構造規模 鉄骨造 一部鉄筋コンクリート造 平屋建て
受け入れ再開日 2025年6月1日(予定)
※施設工事は10月末まで継続
参考 「客船受入施設」概要
所在地 東京都中央区晴海五丁目
敷地面積 22182・17㎡
建築面積 3662㎡ 約3700㎡
延べ面積 3257㎡ 約3300㎡
階数・高さ 平屋/4〜7・8m
※当初計画は鉄骨2階建。ボーディングブリッジなどはないのでタラップによる乗船となりそうだ。
施設は椅子+トイレぐらいで最低限
施設は平屋ということで、ボーディングブリッジからの乗船ではなく、タラップ(階段)による乗船ということになりそうだ。待合施設も雨風を凌げる程度の最低限のもの。
CIQを設けるのに必要最低限のスペースしかない、やや「お粗末」な施設となりそうで、東京国際クルーズターミナルが塞がっている場合に緊急避難的に使われるようなイメージだろうか。
そのほか
・東京国際クルーズターミナルに2バース目が整備されるまでの当面の対応として、「客船受入施設」でクルーズ客船の受け入れを実施する。
・施設の一部を開放する
・一部の駐車スペースを時間貸しの有料駐車場として運用 30台以上
・自転車駐車場を10台分以上整備
・晴海ふ頭公園に隣接する親水広場を整備
・建物外部に喫煙所設置
・太陽電池パネル設置
・防災照明設置
・デジタルサイネージ設置
スケジュール
2022年度1Q末 旧施設解体工事開始
2023年度2Q中 旧施設解体工事終了
2023年度4Q初 新施設新築工事開始
2024年度4Q末 工事終了、供用開始
※東京国際クルーズターミナル第2バース整備で取り壊し
2024年3月 新施設新築工事(供用開始まで15ヶ月から逆算)
2025年6月1日 新施設受け入れ開始
参考:年表
2014年3月 旅客専用バースの計画を青海に変更
2015年12月 晴海客船埠頭は廃止方向
この時点で廃止時期は不明。廃止後は物資供給岩壁化(官庁船が使う不荷役埠頭化)を想定
2019年7月 晴海客船ターミナルの廃止時期は東京国際クルーズターミナルの第2バース供用後
2020年1月 2030年までに東京国際クルーズターミナルの2バース体制実現目指す→晴海客船ターミナルの解体は10年以内(2030年ごろ)。
2020年7月 東京国際クルーズターミナル開業延期(9月以降)
2020年9月 東京国際クルーズターミナル開業
2020年11月 晴海客船ターミナルの2021〜2022年度解体発表
・経年劣化でターミナルが相当傷んでいる。そのため年間維持費が相当かかっている
→東京大会後直ちに撤去にかかる
#675 さようなら晴海客船ターミナル 2021年度〜22年度に解体へ - どらったら!!
2021年1月 客船ターミナルに暫定施設を整備することが判明(延べ3800平米/2階建)
2021年3月 暫定施設は旅客ターミナルと明示(#873)
東京国際クルーズターミナルの第2バース完成まで晴海客船ターミナルを利用することで2バース体制を確保し、クルーズ客船の寄港による経済効果の最大化を目指す。
#873 晴海客船ターミナル跡地の暫定施設は「客船ターミナル」! 2023年度供用開始 - どらったら!!
2024年7月25日 新施設での受け入れ開始告知
2025年6月1日 新施設でクルーズ客船の受け入れ開始
2025年10月末 工事完了
感想・まとめ
客船ターミナルを壊して客船ターミナルを作るという話を確認したのは、2021年3月で当時はびっくりした。中央区議会の青木議員が調べていたと記憶。維持費が高すぎる(指定管理者へ2・4億円/年?)というのが理由だったか。
当初、新施設は2023年度供用開始ということだったが、結局2025年6月のきょうようかいしということなので、1年以上の遅れとなった。
・・・
東京国際クルーズターミナル第二バース整備までの暫定施設という基本方針が変わったということは聞いていない。
ただ、東京国際クルーズターミナルの第二バース供用開始には時間が掛かるでしょう。維持費のかからなさそうなこの施設も当面残るでしょう。