東京メトロの3カ年の中期経営計画「東京メトロプラン2024」が変更された。色々と削って有楽町線延伸と南北線延伸に150億円を捻出する内容。新型コロナにより事業運営に必要な人員を2030年に1割減の9000人とすることも盛り込まれている。「経営目標の上方修正をした」とあるが、中身を見ると鉄道のバリアフリー化率などはペースが落ちていたりする。なお、有楽町線延伸と南北線延伸の工事施行認可申請は今月末実施予定(2023/03/24)
中期経営計画 東京メトロプラン2024の変更概要
・旅客運輸収入と電気料金、調達金利などが中期経営計画策定時から変化
・設備投資計画の見直し、ポストコロナを見据えた経営目標の上方修正をした
経営目標の「上方修正」
・営業利益と減価償却費の3カ年総額は3600億円(+200億円)=上方修正
・鉄道バリアフリー化率は92%(変更前93%)=下方修正
・二酸化炭素排出量も「下方修正」。これは上方修正か?
3カ年の設備投資計画(変更後)
変更点 総額は△300億の3300億円 新線建設に150億円
自然災害対策 80→50 震災対策/大規模浸水対策
安全対策 1360→1240 新型車両/ホームドア/信号保安設備/変電所設備
旅客サービス 1140→890 バリアフリー設備/駅リニューアル/虎ノ門ヒルズ駅
都市・生活創造企業 440→440 不動産/流通/広告・情報通信
その他 290→250 社内ネットワーク/新技術開発・導入
参考 設備投資計画(変更前)
主要施策
・コスト構造改革
経費は1000億円を下回る水準に抑える(コロナ前比△15%程度)
・次世代型業務変革
生活様式変化、生産年齢人口減少を見据え、事業運営に必要な人数を2030年度に現行比△10%の9000人と想定
新線建設 2023年3月末に工事施行認可申請予定
不動産事業
神宮前六丁目再開発 2023年度竣工/24年度春開業
池袋二丁目用地のホテル事業
旧研修センター、旧家族療養地の住宅事業化
流通事業
表参道駅での商業施設開発
東西線各駅の高架下施設のリニューアル工事を順次実施
行徳駅高架下商業施設 2023年度竣工、開業予定
参考 日本経済新聞(3月25日)より抜粋
・2021年度単体の設備投資額 1220億円(△180億円)
コロナ禍で利用者数減、混雑緩和投資(駅ホーム拡張工事など)を抑制する
・2020年度単体の設備投資額 1400億円(△290億円)
コロナ禍による業績悪化
山科社長「テレワークが定着し、コロナ終息後も運輸収入は15%減が続く」
感想・まとめ
新型コロナの傷跡が深く残る変更という感じがする。
特に事業運営に必要な人員1割減らしたことを目標とした内容が盛り込まれたことが印象的。直ちに人員削減ということではないと思うが。
新線建設の工事施行申請は2023年3月末。内容がより具体的になってきたことも注目か。