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東京都中央区、江東区の臨海部を中心としたメモ。独自の情報を除いては、報道ベースではなく、発表主体の情報をベースに書くことを基本にしています。最近はゲリラ的な花火大会情報も提供。

#1078 佃、豊洲、有明は上昇継続 2021年第3四半期の地価LOOKレポート

2021年11月19日、3カ月ごとに発表される主要都市の高度利用地地価動向報告=地価LOOKレポートが発表された。このレポートは不動産鑑定士が全国100地区についての不動産市場の動向に関する情報を集めて地価動向を調べ、国土交通省でまとめたもの。 

対象期間 2021年7月1日〜2021年10月1日
東京臨海部の3地区について現況と前期の比較をしていく。 
 
東京都区部の地価動向

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東京都区部の地価動向(2021年7月〜10月)

参考:直前の四半期

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東京都区部の地価動向(2021年4月〜7月)

全体概要

 新型コロナウイルスの影響がどの程度残るのかに注目していたが、東京圏43地点では上昇に転じた地点が増加した。一方で下落地点も増加していて、二極化の傾向が現れている。

 具体的には住宅地で上昇、それ以外が下落という感じ。

全体概要(100地点)
 上昇  40地点(前回35地点)
 横ばい 30地点(前回36地点)
 下落  30地点(前回29地点)
東京圏概要(43地点)
 上昇 17地点(前回14地点)
 横ばい14地点(前回18地点)
 下落 12地点(前回11地点)
変動率区分
 上方変動4地点(前回 6地区)
 下方変動1地点(前回 3地点)
全国住宅(32地点)
 上昇 26地点(前回24地点)
 横ばい 6地点(前回 8地点)
 下落  0地点(前回 0地点)

東京臨海部概要

▼佃・月島(0〜3%上昇 前期:0〜3%上昇)

(現況)=取引活発

当地区は銀座等の都心への優れた接近性を備えるとともに、東京タワーや東京スカイツリー等のランドマーク施設や河川等に囲まれた変化に富んだ眺望が得られることから、分譲・賃貸ともに高層マンションの需要が強い。また、人口・世帯数共に増加傾向にあり、BRTのプレ運行や環状2号線の整備等の都市基盤整備による利便性の向上のほか、子育て関連施設などの生活利便施設の拡充等も進んでいることから、さらなる発展が期待される。新築マンションに対する需要は引き続き強く、当地区の安定したマンション市況や周辺で見込まれる開発への期待感を背景に、マンション分譲価格は緩やかに上昇している。また、中古マンションの販売在庫数や取引件数についても活発な状態であり、需給動向に大きな変化は生じておらず安定的に推移している。このような状況から、デベロッパー等によるマンション開発素地に対する需要が強く、取引利回りは横ばいが続き、取引価格は緩やかな上昇傾向にあることから当期の地価動向もやや上昇で推移した。

(前期現況)

当地区は銀座等の都心への優れた接近性を備えるとともに、東京タワーや東京スカイツリー等のランドマーク施設や河川等に囲まれた変化に富んだ眺望が得られることから、分譲・賃貸ともに高層マンションの需要が強い。また、人口・世帯数共に増加傾向にあり、BRTのプレ運行や環状2号線の整備等の都市基盤整備による利便性の向上のほか、子育て関連施設などの生活利便施設の拡充等も進んでいることから、さらなる発展が期待される。新型コロナウイルス感染症の影響により売買取引が停滞したものの、当期は回復しており、マンション分譲価格は再び上昇傾向に転じた。また、マンション市場では中古マンションの売買取引も活発であり、取引件数は堅調に推移している。マンション開発素地については、当地区の好調なマンション市況や、周辺で見込まれる各種開発への期待感を背景に、デベロッパー等による素地需要は旺盛であり、取引価格は上昇傾向で推移したことから当期の地価動向もやや上昇となった。

(今後)新型コロナの不透明感薄まる

新型コロナウイルス感染症の影響が長期化することにより市況悪化の懸念は残るものの、当地区の根強いマンション需要に支えられ、マンション分譲価格については上昇傾向が続くと見込まれることから、将来の地価動向はやや上昇で推移すると予想される。

(前期の今後)

新型コロナウイルス感染症がマンション市況に与える影響は引き続き不透明であるが、根強いマンション需要に支えられ、マンション分譲価格については上昇傾向が続くと見込まれることから、将来の地価動向はやや上昇で推移すると予想される。

豊洲(0〜3%上昇 前期:0〜3%上昇)

(現況)供給少なく緩やかに上昇

当地区は、他の湾岸エリアと同様にマンション需要者の購入意欲が底堅いエリアである。新型コロナウイルス感染症の影響により停滞していた売買取引は回復基調で、直近の新築分譲マンションの販売状況も良好な状態が続いたことから、マンション分譲価格は緩やかな上昇傾向が続いている。中古マンション市場においても、供給量の少なさから一部のマンションで価格の上昇も見られる等、価格水準は引き続き上昇傾向で推移している。このようなマンション需要の堅調さとともに、マンション開発素地の供給が極めて少ないこと等からデベロッパー等のマンション開発素地需要も堅調に推移しており、新型コロナウイルス感染症の影響等は続くものの取引利回りはやや低下傾向となり、当期の地価動向はやや上昇で推移した。

(前期現況)

当地区は、他の湾岸エリアと同様にマンション需要者の購入意欲が底堅いエリアである。新型コロナウイルス感染症の影響により停滞していた売買取引は回復基調が続いており、直近の新築分譲マンションの販売状況も良好な状態が続いたことから、マンション分譲価格は緩やかな上昇に転じた。中古マンション市場においても、供給量の少なさから一部のマンションで価格の上昇も見られる等、価格水準は上昇傾向で推移している。このようなマンション需要の堅調さとともに、マンション開発素地の供給が極めて少ないこと等からデベロッパー等のマンション開発素地需要も堅調に推移しており、新型コロナウイルス感染症の影響等は続くものの取引利回りはやや低下傾向となり、当期の地価動向はやや上昇で推移した。

(今後)堅調ベースに復帰

当地区は、利便性の高さから買換え需要を中心にマンション需要は引き続き堅調に推移すると予想され、優良なマンション開発素地に対する需要も堅調な状態が継続すると見込まれる。新型コロナウイルス感染症の影響が長期化することによってデベロッパーの取得意欲が減退する懸念は残るものの、直近の販売状況が良好であることから、将来の地価動向はやや上昇で推移すると予想される。

(前期の今後)

当地区は、利便性の高さから買換え需要を中心にマンション需要は引き続き堅調に推移すると予想され、優良なマンション開発素地に対する需要も堅調な状態が継続すると見込まれる。新型コロナウイルス感染症の影響が長期化することによってデベロッパーの取得意欲が減退する懸念は残るものの、直近の販売状況が良好であることから、将来の地価動向はやや上昇で推移すると予想される。

有明(0〜3%上昇 前期:0〜3%上昇)

(現況)コロナ影響小さいと明言

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う緊急事態宣言による当地区への影響は小さく、直近のマンション販売状況は引き続き良好である。国家戦略特区の認定を受けた大規模複合施設の開業等により生活利便性が向上しており、将来的にも環状2号線の開通や銀座と有明を結ぶ地下鉄構想がある等、注目度が非常に高いため、マンション需要者の購入意欲は底堅く、マンション分譲価格は緩やかに上昇している。中古マンション市場については、供給量の少なさから市場は売り手市場で、価格の上昇が見られる。このような状況から、デベロッパーのマンション開発素地需要は堅調であり、取引価格はやや上昇で推移したことから取引利回りも低下傾向となり、当期の地価動向はやや上昇で推移した。

(前期現況)
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う3回目の緊急事態宣言が発令されたが、当地区への影響は小さく、直近のマンション販売状況は良好である。当地区は、国家戦略特区の認定を受けた大規模複合施設の開業等により生活利便性が向上しており、将来的にも環状2号線の開通や銀座と有明を結ぶ地下鉄構想がある等、注目度は非常に高い。そのため、デベロッパーのマンション開発素地需要は堅調であり、将来性の期待から当期の取引価格はやや上昇で推移した。新築分譲マンションの大量供給により、マンション分譲価格の上昇までは見られないが、中古物件については供給量の少なさから売り手市場であり、一部で価格上昇の動きが見られた。以上から、当期の地価動向はやや上昇で推移した。
(今後)やや上昇か

新型コロナウイルス感染症の影響が長期化することによる市況悪化の懸念は残るものの、当地区の更なる利便性向上等の将来性を背景に、マンション分譲価格は上昇傾向が続くと予想され、デベロッパーのマンション開発素地需要は堅調な状態が継続すると見込まれることから、将来の地価動向はやや上昇傾向で推移すると予想される

 (前期の今後)

新型コロナウイルス感染症の影響が長期化することによる市況悪化の懸念は残るものの、直近の販売状況は概ね良好であり、当地区の将来性を背景にデベロッパーのマンション開発素地需要は堅調であることから、将来の地価動向はやや上昇傾向で推移すると予想される。

参考:都区部で上方修正となったところ

・歌舞伎町(商業) 3〜6%の下落→0〜3%の下落

参考:都区部で下方修正となったところ

日本橋(商業) 横ばい→0〜3%の下落

感想・まとめ

都区部を含めて極めて変化が乏しい。

定点観測の3箇所については新型コロナの懸念がかなり払拭された感じ。秋も終わりだなあ。

有明についていうと、開発素地が1〜2割縮小しそうなので、少し変化する要素になってくるかもしれないと思っている。

参考

www.mlit.go.jp