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東京都中央区、江東区の臨海部を中心としたメモ。独自の情報を除いては、報道ベースではなく、発表主体の情報をベースに書くことを基本にしています。最近はゲリラ的な花火大会情報も提供。

#683 丸の内と有楽町・日比谷が下落に転じる 2020年第3四半期の地価LOOKレポート

2020年11月19日、3カ月ごとに発表される主要都市の高度利用地地価動向報告=地価LOOKレポートが発表された。このレポートは不動産鑑定士が全国100地区についての不動産市場の動向に関する情報を集めて地価動向を調べ、国土交通省でまとめたもの。 

対象期間 2020年7月1日〜2020年10月1日
東京臨海部の3地区について現況と前期の比較をしていく。 
 
東京都区部の地価動向

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国土交通省

 

参考:直前の四半期
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今回の注目は下落に転じた丸の内と有楽町・日比谷。

全体概要

 新型コロナウイルスの影響が全期間に及ぶため、影響を注目していたが、様相が劇的に変化した前回の流れが継続。全国の住宅32地区と東京都区部の上昇地点は前回に続いてゼロ。

全体概要(100地点)
 上昇 1地点(前回1地点)
 横ばい54地点(前回61地点)
 下落 45地点(前回38地点)
 変動率区分
  下方変動は10地区(前回75地区)
  上方変動は 3地区(前回 0地区)
首都圏概要(43地点)
 上昇  0地点(前回 0地点)
 横ばい34地点(前回38地点)
 下落  9地点(前回 5地点)
 下方変動 4地点(前回27地点)
全国住宅(32地点)
 上昇  0地点(前回 0地点)
 横ばい26地点(前回27地点)
 下落  6地点(前回 5地点)
 下方変動 1地点(前回11地点)

東京臨海部概要

▼佃・月島(0%横ばい 前期:0%横ばい)

(現況)引き続きコロナ下も大きな変化なし。

 当地区は銀座等の都心への優れた接近性を備えるとともに、東京タワーや東京スカイツリー等のランドマーク施設や河川等に囲まれた変化に富んだ眺望が得られることから、分譲・賃貸ともに高層マンションの需要が強く、人口・世帯数共に増加傾向にあり、BRTのプレ運行や環状2号線の整備等の都市基盤整備による利便性の向上など、さらなる発展が期待される。新築及び中古マンションの売買取引は新型コロナウイルス感染症の影響により一時停滞したが、緊急事態解除宣言以降は取引件数が徐々に回復しており、販売在庫数や需給動向に大きな変化は生じておらず、マンション分譲価格については横ばいで推移している。マンション開発素地については、当地区の堅調なマンション市況や、周辺で見込まれる開発への期待感を背景に、デベロッパー等による素地に対する需要は継続して強く、取引利回りは横ばいで推移し、当期の地価動向は横ばい傾向で推移した。

(前期現況)

 当地区は銀座等の都心への優れた接近性を備えるとともに、東京タワーや東京スカイツリー等のランドマーク施設や河川等に囲まれた変化に富んだ眺望が得られることから、分譲・賃貸ともに高層マンションの需要が強く、人口・世帯数共に増加傾向にあり、さらなる発展が期待される。新型コロナウイルス感染症の影響により、新築マンション及び中古マンションの売買取引は停滞したが、緊急事態解除宣言以降は取引件数が徐々に回復しており、マンションの在庫数や需給動向に大きな変化は生じておらず、マンション分譲価格については横ばいで推移している。マンション開発素地については、当地区内外で高層マンションの開発計画が見られ、デベロッパー等による素地に対する需要は継続して堅調であり、取引利回りは横ばいが続いて、当期の地価動向は横ばいで推移した。

(今後)当面供給少ないことで横ばい維持

 当地区においては、複数の市街地再開発事業が進捗中であり当面は新規供給が少ないことから、オフィス賃料の下落に結びつくほどの稼働率の低下は見込まれず、将来の地価動向は引き続き横ばいで推移すると予想される。

(前期の今後)

 新型コロナウイルス感染症の影響から市場参加者は引き続き市況を見極めようとする姿勢は強いものの、不動産取引は回復基調にありマンション市況は安定した状況が続くと見込まれることから、将来の地価動向は概ね横ばいが続くと予想される

豊洲(0%横ばい 前期:0%横ばい)

(現況)取引当事者に新調姿勢

 当地区は、他の湾岸エリアと同様に需要者の購入意欲が底堅いエリアである。新型コロナウイルス感染症の影響により停滞していた売買取引は徐々に回復しつつあるが、取引当事者は今後の市況を見極めようとする慎重な姿勢を継続しており、マンション分譲価格は横ばいで推移した。このような分譲マンション需要の底堅さとともに、マンション開発素地の供給が極めて少ないこと等からデベロッパー等の開発素地に対する需要は安定しているものの、新型コロナウイルス感染症の影響等から取引利回りは横ばい傾向が続いており、当地区の地価動向は横ばいで推移した。

(前期現況)

 当地区は、他の湾岸エリアと同様に需要者の購入意欲が底堅いエリアであることから、マンション需要は堅調に推移していたが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い緊急事態宣言が発令され、当期前半は取引の停滞感が特に強かった。緊急事態解除宣言後は、販売活動が再開され、取引件数は徐々に回復しており、マンション分譲価格は横ばいで推移した。マンション開発素地の供給が極めて少ないこと等からデベロッパー等の開発素地に対する需要は安定しているものの、新型コロナウイルス感染症の影響等から取引利回りは横ばい傾向となり、当地区の地価動向は横ばいで推移した。

(今後)変化なし

 当地区は、利便性の高さから買換え需要を中心にマンション需要は引き続き安定的に推移すると予想され、優良なマンション開発素地に対する需要も安定した状態が持続すると見込まれるため、新型コロナウイルス感染症の影響による取引停滞等の懸念はあるものの、将来の地価動向は当期同様に概ね横ばいで推移すると予想される。

(前期の今後)

 当地区は、利便性の高さから買換え需要を中心にマンション需要は引き続き安定的に推移すると予想され、優良なマンション開発素地に対する需要も安定した状態が持続すると見込まれるため、新型コロナウイルス感染症の影響による取引停滞等の懸念はあるものの、将来の地価動向は当期同様に概ね横ばいで推移すると予想される。

有明(0%横ばい 前期:0%横ばい)

(現況)特に変化なし

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う緊急事態宣言以降、しばらく停滞していたマンションの取引等は徐々に回復の動きを見せている。新型コロナウイルス感染症の終息時期は不透明で、依然として景気は厳しい状況にあるものの、上記のように市況は徐々に持ち直しの動きも見られている。また、当地区は国家戦略特区の認定を受けた大規模開発事業や東京五輪関連施設の整備のほか、環状2号線の開通や銀座と有明を結ぶ地下鉄構想による都心部へのアクセス向上等、その将来性により注目度は非常に高い。以上から、当地区はデベロッパーの安定した開発素地需要が見込めるエリアであることに変わりはなく、取引利回りは概ね横ばいで推移したことから、当期の地価動向は横ばいで推移した。

(前期現況)
 当地区では、都心部に近接する湾岸エリアでの割安感や将来性等からマンション需要は堅調に推移していたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い緊急事態宣言が発令され、当期前半は取引等の動向がストップした状態であった。緊急事態解除宣言後は徐々に取引等が見られ始めたが、取引市場は低調に推移し、上昇傾向にあったマンション賃料も横ばいで推移した。一方で、当地区は国家戦略特区の認定を受けた大規模開発事業や東京五輪関連施設の整備のほか、環状2号線の開通や銀座と有明を結ぶ地下鉄構想による都心部へのアクセス向上等、その将来性により注目度は非常に高いことから、デベロッパーの安定した開発素地需要が見込めるエリアであることに変わりはなく、当期の取引利回りは横ばい傾向に留まって、当地区の地価動向は横ばいで推移した
(今後)変化なし

 新型コロナウイルス感染症の影響から、市況悪化の懸念は払拭されていないものの、当地区の将来性を背景にデベロッパーの開発素地取得需要は底堅いことから、将来の地価動向は横ばいで推移すると予想される

 (前期の今後)

 新型コロナウイルス感染症が終息せず、経済打撃や東京五輪開催延期が不動産市場へ与える影響の程度は依然として不透明であるが、当地区の将来性を背景にデベロッパーの開発素地取得需要は底堅く、将来の地価動向は横ばいで推移すると予想される

その他

 今回のレポートで衝撃的だったのは、丸の内と有楽町・大手町が下落に転じたことだろうか。

▼丸の内(0〜3%下落 前期:0%横ばい)

(現況)

当地区は、東京駅丸の内口周辺に位置し、大手企業の本社や銀行が集積する国内オフィスエリアの中枢であり、強い需要が認められる地区である。東京都区部のオフィス賃貸市場は弱含みの展開となっているものの、当地区のオフィス賃料は概ね横ばいで下落までには至っていない。一方、賃貸店舗需要については、前期に引き続き新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動の停滞が見られるなか店舗の収益性は低位で推移しており、また、中長期的な来街者の回復には相応の時間を要すること等から、店舗賃料は歩合賃料を中心に弱含みの下落傾向にある。また、取引利回りについては、新型コロナウイルス感染症の影響による不動産市況の動向を見極めようとする不動産会社や投資家等の市場参加者が見られるものの、日本を代表するオフィス街である当地区に対する投資意欲は引き続き強く横ばいを維持した。このような状況の中、当期の地価動向はやや下落で推移した。

(今後)

 当地区に対する強い投資意欲は認められるものの、新型コロナウイルス感染症の影響による社会経済状況の動向は依然として不透明であり、市場参加者は引き続き市況を見極めようとする姿勢も強いことから、将来の地価動向はやや下落傾向で推移すると予想される。

▼有楽町・日比谷(0〜3%下落 前期:0%横ばい)

(現況)

当地区は良好な立地条件等を背景に安定した需要が存する商業地域である。東京都区部のオフィス賃貸市場は弱含みの展開となっているものの、当地区のオフィス賃料は概ね横ばいで下落までには至っていない。一方、賃貸店舗需要については、前期に引き続き新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動の停滞により一時休業や閉店を余儀なくされる店舗が見られ、中長期的な来街者の回復にも相応の時間を要すること等から、店舗賃料は歩合賃料を中心に弱含みの下落傾向にある。また、取引利回りについては、新型コロナウイルス感染症の影響による不動産市況の動向を見極めようとする不動産会社や投資家等の市場参加者が見られるものの、多数の不動産開発事業が進捗している当地区に対する注目度は高く、投資意欲は引き続き安定しており、横ばいを維持した。このような状況から、当期の地価動向はやや下落で推移した。

(今後)

当地区に対する投資需要は安定しており、物件供給があった場合には底堅い需要が見込まれる。一方、賃貸オフィス市況及び賃貸店舗市況ともに先行きは不透明であり、市場参加者は引き続き市況を見極めようとする姿勢が見られることから、将来の地価動向はやや下落傾向で推移すると予想される。

 

感想・まとめ

 定点監視3地区について回復基調にあるとは全く言えないが、底割れの状況でもない。前の四半期の状況が続いている。

 一方、丸の内と有楽町・日比谷については現況が継続すればさらなら悪化が示唆され「見通しはネガティブ」という感じだろうか。

 

参考

www.mlit.go.jp