新宿駅周辺の交通利便性向上を目的に導入された新宿WE(ウィー)バスが2025年度以降廃止の見通しとなった。これまで運行していた西ルートと新宿御苑ルートのうち、新宿御苑ルートは2024年9月30日が最終運行日を迎え、残る西ルートも2025年度中に代替手段の検討などをした上で廃止する方向性が示された(2025/03/11)。
新宿WEバス概要
・新宿の西口(WEST)と東口(EAST)を結ぶバス
・わたしたち(WE)のバス
・2025年3月現在運行中の西ルートのほか、新宿御苑ルートと歌舞伎町ルート(いずれも廃止)がある
運賃 100円
西ルート
運行距離 2・67キロ
運行台数 4台
運行時間 0634〜2055
運行間隔 8〜12分
運行本数 80回(土曜46回、日祝42回)
廃止に向けた運行縮小開始(2025年4月にダイヤ改正)
運行台数 1台
運行間隔 24分
運行本数 30回
※通勤定期券廃止により、乗車人員の減少が見込まれるため、ダイヤ改正後も混雑なく運行可能と判断。運行コスト増と乗務員不足の点から運行車両数縮減はやむを得ない
これまでの経緯
2009年 9月27日 運行開始
2011年 9月 新宿御苑側に延伸
2011年12月 西山道方面に延伸
2016年 1月 再編、歌舞伎町ルート新設、新宿御苑、西新宿循環など
2024年10月 新宿御苑ルート、歌舞伎町ルートの廃止
2025年 4月 残るルートの段階的廃止に向けた運行縮小などの施策開始
→代替手段などの整理、検討を経て廃止する
乗車人数の推移
参考 新宿御苑ルートは2024年10月1日運行終了、廃止
・廃止理由 利用状況を鑑みた/新宿周辺の歩行者の回遊性向上を鑑みた
廃止に対する新宿区の考え方(2024年12月)
・新型コロナが5類以降後も、それ以前の水準に回復せず。
・1日の平均乗車人数は減少傾向にある。
・今後も大幅な増加が見込めず、運行コストの増大と乗務員不足に加え、バスの修理、更新費用の増大が想定される。
→以上から継続的な運行は困難であると認められる。代替手段の検討を重ね、対応の方向性が確立できた段階で廃止することはやむを得ないものと判断する
感想・まとめ
繰り返しになるけど、福祉バスだといって検証せずに資金を投入していいわけではない。中央区の江戸バスについても費用対効果を含め、毎年の検証が必須だと思っている。
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新宿区では2025年3月までの予定でAIオンデマンド交通「にゃんデマンド」の実証実験が2025年3月7日に終了したが、対象は山手線の西側のエリアで、WEバスのエリアとは重ならない。本格運行となるかどうかはそのうち発表されるだろう。
AIオンデマンド交通実証実験運行計画案(新宿区ほか、2024年9月)