足立区内の交通不便地域解消事業、足立区デマンドタクシー(足タク)が2025年4月1日から本格運行に移行する。足タク事業は2024年6月にスタートし、9か月ほどの実証運行を経て、本格運行入りとなった。足立区ではコミュニティバス路線の廃止や縮小が相次いでいて、これに変わる交通機関として機能するか注目される(2025/03/05)。
- 足立区デマンドタクシー、愛称「足タク」
- 利用の流れ
- 乗降スポットは30箇所
- 参考 足立区2025年度予算は800万円
- 参考 足タクアンケート調査結果
- 参考 コミュニティバス「はるかぜ」の一部運行終了(足立区)
- 参考 実は難しいデマンド交通
- 感想・まとめ
- 参考リンク等
足立区デマンドタクシー、愛称「足タク」
移動ルート 自宅と乗降スポット/乗降スポット間のいずれか
特徴 通常のタクシー料金より安価
実証運行を終了、2025年4月1日から本格運行に移行
実証実験概要
期間 2024年6月17日〜2025年3月31日
運行時間 0800−1700
受付時間 0750−1630
利用方法 利用直前に協力タクシー会社に電話
利用上限 1人につき、月8件まで(全て往復の場合4往復まで)
一般(割引対象者以外)利用料金(通常運賃+迎車料金):
2000円未満→500円
2000円以上→1000円
協力会社 4社
そのほか 利用者登録が必要
利用の流れ
利用者登録
利用者登録が可能な人
足立区入谷1〜9丁目、鹿浜地区町会・自治会連絡協議会館内に居住、足立区に住民登録がある人
・区役所で登録申請し、登録証受け取り
・オンライン申請し、郵送受け取り
利用について
・電話で利用予約
・タクシー到着後、利用者登録証を運転手に提示し乗車
・目的地に到着したら運転手に利用料金を現金で支払う
※細かい利用方法は末尾「参考リンク等」から
乗降スポットは30箇所
参考 足立区2025年度予算は800万円
参考 足タクアンケート調査結果
・運賃設定 「満足」「やや満足」が75%
・全体の満足度 「満足」「やや満足」が80%
参考 コミュニティバス「はるかぜ」の一部運行終了(足立区)
廃止前(2024年3月末)
廃止後
・足タクの導入エリアは区北西部の3号線廃止ルートの周辺ということがわかる。
参考 実は難しいデマンド交通
・規模の経済が働きにくい=利用者が増えても収支率が高まるとは限らない
・提供エリアの面積が概ね35平方キロを超えると、個別輸送よりも走行距離が長くなるケースが卓越する
・利用者が増えると「早い者勝ち」が課題になる
などなど
地域公共交通に係る行政連絡会資料より(2024年11月、東京都)
感想・まとめ
実証実験期間のアンケートでは利用者負担額、足タク全体のそれぞれについて、「満足」「やや満足」という評価が80%近くに達していた。足立区の年間事業予算は800万円ということで、中央区が毎年2億円の赤字を出している「江戸バス」のことを考えると財政負担は極めて軽い。需要次第ともいえるが、財政負担の軽さから他区での導入検討が進むかもしれない。