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東京都中央区、江東区の臨海部を中心としたメモ。独自の情報を除いては、報道ベースではなく、発表主体の情報をベースに書くことを基本にしています。最近はゲリラ的な花火大会情報も提供。

#1496 世界の都市総合力ランキングをみる 2022年版、森記念財団

森記念財団がまとめた「世界の都市総合力ランキング2022」をみておく。東京は7年連続の3位だったが、オリンピックを控える4位パリとの差は僅差となった。総合評価として「大きく総合スコアが下がった都市。全6分野中4分野で順位を落とした。文化交流分野では観光資源と外国人受け入れ実績でスコアが下がり、5位に下落。交通アクセス分野では航空便の回復が遅く、航空キャパシティのスコアが大きく下落した」と記されている(2022/12/19)。

森記念財団

概要

6分野・26指標グループ、70指標から分野別にランキングを作成。

既存の有力な都市比較ランキング20位以内、有力な国際競争力ランキングの競争力上位国の主要都市など、48都市を比較し2600点満点で評価したもの

評価対象の分野と細目

1 経済

①市場規模 ②市場の魅力 ③経済集積 ④人的集積 ⑤ビジネス環境 ⑥ビジネスの容易性

2 研究・開発

①研究集積 ②研究環境 ③イノベーション

3 文化・交流

①発信力 ②観光資源 ③文化施設 ④受入環境 ⑤外国人受入実績

4 居住

①就業環境 ②居住コスト ③安全・安心 ④生活良好性 ⑤生活利便性

5 環境

①持続可能性 ②大気質 ③自然環境

6 交通・アクセス

①国際ネットワーク ②航空キャパシティ ③都市内交通 ④移動の快適性

各都市の総合順位と分野別順位

森記念財団

①ロンドン 1592・4(前年1644・1、1位)

 経済 2位/研究・開発 2位/文化・交流 1位

 居住 8位/環境 11位/交通・アクセス 6位

 経営者評価 1位

 高度人材評価 1位 

 観光客評価 1位

 居住者評価 4位

スコアは2年連続で下落。経済分野では市場規模、市場の魅力の全指標でスコアを落とした。交通アクセス分野では「航空キャパシティ」「外国人受け入れ実績」でスコアを大きく落とした。環境分野は11位で、全分野トップ10入りにあと一歩。

②ニューヨーク 1505・9(前年1482・9、2位)

 経済 1位/研究・開発 1位/文化・交流 2位

 居住 38位/環境 27位/交通・アクセス 4位

 経営者評価 2位

 高度人材評価 3位 

 観光客評価 4位

 居住者評価 25位

総合スコアは上昇。ロンドンとの差を縮めた。文化交流分野の「観光資源」「受け入れ環境」で評価を高め、2020年以来狩を抜いて2位に。居住分野では「就業環境」が改善。交通アクセス分野でも国内航空便が回復したことで順位を上げ、「航空キャパシティ」では1位に。

③東京 1367・2(前年1411・0、3位)

 経済 5位/研究・開発 4位/文化・交流 5位

 居住 11位/環境 13位/交通・アクセス 10位

 経営者評価 8位

 高度人材評価 13位 

 観光客評価 3位

 居住者評価 7位

④パリ 1356・9(前年1350・8、4位)

 経済 13位/研究・開発 9位/文化・交流 3位

 居住 1位/環境 28位/交通・アクセス 3位

 経営者評価 6位

 高度人材評価 2位 

 観光客評価 2位

 居住者評価 3位

シンガポール 1233・8(前年1232・8、5位)

 経済 6位/研究・開発 11位/文化・交流 11位

 居住 25位/環境 12位/交通・アクセス 11位

 経営者評価 3位

 高度人材評価 5位 

 観光客評価 15位

 居住者評価 11位

37位 大阪 947・3(前年941・7、36位)

 経済 35位/研究・開発 18位/文化・交流 29位

 居住 19位/環境 39位/交通・アクセス 39位

 経営者評価 37位

 高度人材評価 33位 

 観光客評価 33位

 居住者評価 23位

42位 福岡 871・9(前年848・5、42位)

 経済 39位/研究・開発 34位/文化・交流 46位

 居住 28位/環境 25位/交通・アクセス 31位

 経営者評価 39位

 高度人材評価 36位 

 観光客評価 44位

 居住者評価 26位

東京について

国境や国籍にこだわらず、世界を舞台に活躍する「高度人材」の視点で都市を評価すると東京は2021年版の4位から13位に順位を落としている。居住分野の「働き方の柔軟性」の点で評価を落とした。

観光の点でも東京は2021年版の2位から3位に順位を落とした。交通アクセス分野の「国際線直行便就航都市数」が影響したそうだ。

ヨーロッパ、アメリカ、アジア・オセアニア、アフリカ・中東の4エリアで、コロナ前の2019年と2022年の航空便の運行頻度を比較すると、アジア.オセアニアを除く3エリアでは90%前後となっていてかなり回復しているが、アジア・オセアニアは60%に止まり、厳しい渡航制限が続いていることを窺わせる。

感想・まとめ

ロンドンは強いなあ。

日本の弱点が明確にスコアに反映されたように思う。

3位東京と4位パリの差が一気に縮まり、2023年版では逆転もあるかもしれない。オリンピック開催も影響するのではないかな。

世界都市総合ランキングは面白い。

参考

世界の都市総合力ランキング2022(森記念財団)