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東京都中央区、江東区の臨海部を中心としたメモ。独自の情報を除いては、報道ベースではなく、発表主体の情報をベースに書くことを基本にしています。最近はゲリラ的な花火大会情報も提供。

#604 日本の都市特性評価2020をみる 都市戦略研報告書 経年比較は意味なさそう

森記念財団の都市戦略研究所が、日本国内の都市(主要72都市+東京23区)の特性を客観的に評価するための報告書「日本の都市特性評価2020」を取りまとめた。東京23区の比較では、2019年と大きな変化はない。年ごとの比較に意味は薄そうで、このトピック2021年以降はエントリを立てないかも(2020/09/03)。 

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(都市戦略研究所)
 
※本エントリで取り上げるのは東京23区についてのみ。 

「日本の都市特性評価2020」概要

背景・目的

 少子高齢化と急激な人口減少が見込まれる中、日本全体が活力を持ち続けるために、各都市がそれぞれの特性を生かして都市作りを進める必要がある。都市の力を客観的に把握し、都市戦略の立案と実行がもとめられる。このため都市の強みや魅力などの都市特性を明らかにするための調査研究を実施。

対象都市(109都市+東京23区)

・県庁所在地(除政令指定都市
・人口17万人以上かつ昼夜間人口比率0・9以上の都市
 ・東京23区

評価項目 26指標グループ、83指標

・経済ビジネス 6指標グループ 20指標 600点満点
・研究開発 2指標グループ 4指標 200点満点
・文化交流 5指標グループ 16指標 500点満点
・生活居住 7指標グループ 24指標 700点満点
・環境 3指標グループ 10指標 300点満点
・交通アクセス 3指標グループ 9指標 300点満点
 合計2600点満点

スコア算出方法

 83指標について、最大値100、最小値0として指数化。
 指標グループごとの平均値算出
 
→指標グループごとの平均値を分野ごとに合計し各分野のスコアに
 →6分野のスコアを合算し合計スコアに
 

合計スコア1000を超える上位7区の分野別順位

千代田区

 1412・0(前年①1410・4)

→「幅広い分野で評価の高い東京の中心都市」

  経済ビジネス 1位(前年1位)

  研究開発   4位(5位)↑

  文化交流   2位(2位)

  生活居住   1位(1位)

  環境     9位(5位)↓

  交通     2位(1位)↑

②港区 

 1394・1(前年②1352・7)

→「文化、経済を中心に多くの分野で進化を続けるバランス型都市」

  経済ビジネス 2位(前年2位)

  研究開発   2位(4位)↑

  文化交流   1位(1位)

  生活居住   3位(4位)↑

  環境     4位(4位)

  交通     3位(3位)

中央区

 1261・8(前年③1247・9)

→「交通利便性と居住環境が強みの活気あふれる街」

  経済ビジネス 3位(前年3位)

  研究開発   6位(6位)

  文化交流   7位(8位)↑

  生活居住   2位(2位)

  環境     2位(2位)

  交通     1位(2位)↓

④新宿区

 1156・7(前年④1160・2)

  経済ビジネス 5位(前年5位)

  研究開発   3位(2位)↓

  文化交流   3位(3位)

  生活居住   6位(6位)

  環境    16位以下(16位以下)

  交通     6位(8位)↑

⑤渋谷区

 1142・4(前年⑤1138・7)

  経済ビジネス 4位(前年4位)

  研究開発   9位(9位)

  文化交流   4位(4位)

  生活居住   4位(5位)↑

  環境    16位以下(16位以下)

  交通     4位(4位)

⑥文京区

 1115・6(前年⑥1111・6)

  経済ビジネス 9位(9位)

  研究開発   1位(1位)

  文化交流   8位(6位)↓

  生活居住   5位(3位)↓

  環境    15位(15位)

  交通アクセス 8位(7位)↓

江東区

 1007・5(前年⑦1000・2)

  経済ビジネス11位(前年8位)↓

  研究開発  11位(14位)↑

  文化交流   6位(7位)↑

  生活居住  14位(16位以下)↑

  環境     1位(1位)

  交通     9位(9位)

 

 

項目別の強みと弱み

中央区

(偏差値75超)

・(生活・居住)生活利便施設、居住環境

(偏差値25超50未満)
・(環境)快適性
・(研究開発)研究集積
・(文化交流)発信実績
・(生活・居住)健康・医療、育児・教育、市民生活・福祉
(偏差値25未満)
・なし 

感想・まとめ

 都市特性評価の概要が発表されるようになったのは2018年から。各区の弱みと強みを把握するのにいい資料。

 

2020年版では中央区の弱み(偏差値50未満)として

「快適性」 年間日照時間/気温・湿度が快適な日数/空気のきれいさ

「研究集積」 学術・開発研究機関従業員割合/トップ大学数

「発信実績」 観光客誘致活動/自治体SNSフォロワー数/魅力度・認知度・観光意欲度

「健康・医療」 医師の多さ/病院・診療所の多さ/平均寿命・健康寿命

「育児・教育」 合計特殊出生率/保育ニーズの充足度/子供の医療費支援/教育機会の包容性

「市民生活・福祉」 外国人住民の受け入れ態勢/要支援・要介護高齢者の少なさ/地域包括支援センターの多さ

が挙げられていた。

・・・

 このレポート、3年追いかけてみたけど、項目(数)や重み付けに疑問もあり、合計ポイントで比較することにあまり意味はない気がする。

 ただ、項目は固定している感じなので、同じ項目内での比較は役立ちそう。

参考

mori-m-foundation.or.jp

dorattara.blog.fc2.com