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東京都中央区、江東区の臨海部を中心としたメモ。独自の情報を除いては、報道ベースではなく、発表主体の情報をベースに書くことを基本にしています。最近はゲリラ的な花火大会情報も提供。

#968 日本の都市特性評価2021、都市戦略研報告書 コロナの影響も調査

森記念財団の都市戦略研究所が、日本国内の都市(主要138都市+東京23区)の特性を客観的に評価するための報告書「日本の都市特性評価2021」を取りまとめた。調査対象都市が若干広がって、人口17万人以上は全都市が対象になった。当然ながら東京23区では前年との比較は大きな変化はない。今回は特集として新型コロナ前後でそれぞれ在宅勤務、学習がどの程度の割合になったのかを調べている(2021/08/25)。 

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日本の都市特性評価2021概要版表紙=都市戦略研究所
※本エントリで取り上げるのは東京23区についてのみ。 

「日本の都市特性評価2021」概要

背景・目的

 少子高齢化と急激な人口減少が見込まれる中、日本全体が活力を持ち続けるために、各都市がそれぞれの特性を生かして都市作りを進める必要がある。都市の力を客観的に把握し、都市戦略の立案と実行がもとめられる。このため都市の強みや魅力などの都市特性を明らかにするための調査研究を実施。

対象都市(国内138都市+東京23区)

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対象都市=都市戦略研究所
・人口17万人以上の都市
 ・東京23区

評価項目 26指標グループ、86指標

データは主に2021年1月〜3月に収集

・経済ビジネス 6指標グループ 21指標 600点満点
・研究開発 2指標グループ 5指標 200点満点
・文化交流 5指標グループ 16指標 500点満点
・生活居住 7指標グループ 25指標 700点満点
・環境 3指標グループ 10指標 300点満点
・交通アクセス 3指標グループ 9指標 300点満点
 合計2600点満点

スコア算出方法

 83指標について、最大値100、最小値0として指数化。
 指標グループごとの平均値算出
 
→指標グループごとの平均値を分野ごとに合計し各分野のスコアに
 →6分野のスコアを合算し合計スコアに
 

合計スコア1000を超える上位6区の分野別順位

千代田区 1440・2(前年①1412・0)↑

→「多様な機能を有する居住性の高い都市」

  経済ビジネス 1位(前年1位)

  研究開発   3位(4位)↑

  文化交流   2位(2位)

  生活居住   1位(1位)

  環境     5位(9位)↑

  交通     1位(2位)↑

②港区  1384・6(前年②1394・1)↓

→「住みやすさという魅力をさらに高めた国際生活都市」

  経済ビジネス 2位(前年2位)

  研究開発   1位(2位)↑

  文化交流   1位(1位)

  生活居住   3位(3位)

  環境     4位(4位)

  交通     3位(3位)

中央区 1261・0(前年③1261・8)↓

→「優れた生活環境と強い経済力を誇る多機能型都市」

  経済ビジネス 3位(前年3位)

  研究開発   5位(6位)↑

  文化交流   7位(7位)

  生活居住   2位(2位)

  環境     2位(2位)

  交通     2位(1位)↓

④渋谷区 1125・4(前年⑤1142・4)↓

  経済ビジネス 4位(前年4位)

  研究開発   9位(9位)

  文化交流   3位(4位)↑

  生活居住   5位(4位)↓

  環境    16位以下(16位以下)

  交通     4位(4位)

⑤新宿区 1108・5(前年④1156・7)↓

  経済ビジネス 5位(前年5位)

  研究開発   4位(3位)↓

  文化交流   4位(3位)↓

  生活居住   6位(6位)

  環境    16位以下(16位以下)

  交通     8位(6位)↓

 

⑥文京区 1097・1(前年⑥1115・6)

  経済ビジネス 8位(9位)↑

  研究開発   2位(1位)↓

  文化交流   8位(8位)

  生活居住   4位(5位)↑

  環境     8位(15位)↑

  交通アクセス 9位(8位)↓

参考:江東区は990・7(前年1000ポイント超)

新型コロナ感染症流行前後での比較調査

就業先、就学先に出向く割合がどのように変化したのかについて、都市戦略研究所によるアンケート調査が2021年3月に実施された。対象都市に住むそれぞれ300人対象。全体では有効回収数34183人

新型コロナ流行前後それぞれについて

就業・就学先に出向いている

自宅で働いている・学んでいる

就業.就学、自宅とも同程度

を選んでもらう形。

結果

就業・就学先に出向いている

千代田区 78・0%→43・2%

中央区  79・1%→45・5%

港区   78・8%→44・2%

江東区  85・0%→57・0%

自宅で働いている・学んでいる

千代田区  13・1%→32・8%

中央区    9・4%→33・6%

港区    12・4%→38・1%

江東区    9・3%→25・2%

参考 全161都市での分布

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新型コロナ流行前後での就業就学先に通う行動変化調査=都市戦略研究所

青:コロナ流行開始前

赤:コロナ流行開始後

・都市、地域ごとに傾向が異なることが判明

・23区は流行後、自宅で働く、学ぶ/同程度の割合が他都市に比べ大きく増加。首都圏においては在宅勤務が進んでいる

・関西圏では首都圏ほどの変化はなく、八戸市山口市など地方の中核都市では大きな変化はなかった

へえ。これは面白い。

感想・まとめ

「日本の都市特性評価」、単年度で大きく変化するような項目が非常に少ないこともあって総合評価は大きな変化はなかったし、これからもないだろう。順位自体にあまり意味はないと思う。もう目新しさはないかなあ。

今回は総合評価よりも新型コロナの影響の方に注目。地方都市はあまり気にしていないということなのか、リモートをする環境がないのか、どういうことなんだろうね。そんな中、中央区はすごい頑張ってるわ。赤いグラフの左上に位置していた。 

参考

mori-m-foundation.or.jp