東京メトロが2021年度を最終年度とする中期経営計画「東京メトロプラン2021」で示した経営目標値について、最終年度入りを前に取り下げた。新型コロナウイルスの感染拡大により経営環境が大きく変化し、目標達成が困難になったため(2021/03/26)。
(東京メトロ)
取り下げられた経営目標値
(東京メトロ)
・設備投資計画(3カ年総額 4900億円)も700億円減額して4200億円とする
2021年度設備投資計画(前年度当初予算→9月修正)
(東京メトロ)
(中の人作成)
・2021年度の設備投資計画は旅客サービスが大幅に削減された。
・3カ年で総額700億円の減額で、2020年度に290億円の減額なので、2021年は410億円の減額ということになる。
2021年度事業計画で注目したポイント
(東京メトロ)
新型コロナ感染症拡大を受けた取り組み
・車内換気、消毒措置、ゆとりある空間整備、混雑時間帯を避けた需要分散
ほか
安心の提供
・銀座線と丸の内線の750V化
・千代田線の北千住〜町屋駅間のシールドトンネル工事による長寿命化
・銀座線浅草駅構内の折り返し線整備推進
・南北線 8両編成化
・エレベーターによる1ルート100%化に取り組む
・病院に近い駅では複数ルートを整備
持続的成長の実現
・不動産事業拡大
駅直結エレベーターなど街の特性と調和した開発推進
駅直結可能物件を積極的に取得
・流通事業
駅構内商業施設、売店、高架下商業施設などを推進 大手町駅で新規店舗開業
感想・まとめ
経営目標値の取り下げというのはほとんど見たことがない。新型コロナの影響がいかに大きかったか、ということだろう。
東京8号線事業化にあたって、東京メトロの「経営に影響を与えない範囲で協力」という言葉が非常に重い。経営がある程度安定するまでは進まないのではないか。
仮に事業化するとしても、東京メトロが赤字を被らない形、例えば東京メトロの人的支援を受けた江東区主体のの第三セクターで営業するような形の事業化しかないんじゃないかな。
そして臨海地下鉄新線はその向こう側にある。厳しい。
参考
中期経営計画「東京メトロプラン2021」の経営目標値取り下げに関するお知らせ(東京メトロ)