東京8号線延伸(豊洲〜住吉)の最近の検討状況についてまとめておく。2020年以降、国と東京都、東京メトロの3者による技術的検討が勉強会という形で進められている。第7回の勉強会は2021年5月に開催された。新型コロナによる需要減少を踏まえた検討が必要であること、住吉駅での混雑緩和対策が必要になる可能性や施工上の課題が話し合われていた(2021/06/18)。
(江東区)
2020年以降、これまでに7回、国土交通省と東京都、東京メトロの三者による「東京8号線延伸」に関する勉強会が開かれている。第4回の勉強会からは、難工事が予想される東陽町駅の具体的な工事方法(技術的な実現可能性の検討)に入っている。 東京メトロの事業者としての専門的知見を活用し、既存調査を踏まえた技術的観点からの課題抽出と、駅構造などの検討の深度化、事業費の精査を実施する ・難工事が予想される東陽町駅の改良で、埋設物の制約条件、乗り換え動線を踏まえた駅施設計画を検討。 ・新型コロナによる鉄道利用者の大幅減少による影響が継続。収束が見通せない。駅施設の構造・規模、運行計画の検証などについて、影響を注視しながら検討を進めることを再度確認 ・難工事が予想される東陽町駅の改良などについて、既設地下鉄直下に新たな構造物を設けるにあたってアンダーピニングが必要と確認。施工方法や施工上の課題を検討 ・新型コロナによる鉄道利用者の大幅減少による影響が継続。収束が見通せない。駅施設の構造・規模、運行計画の検証などについて、影響を注視しながら検討を進めることを再度確認 ・既存路線と接続する住吉駅で混雑緩和対策が必要になる可能性があり、昇降設備増設などを検討。シールドマシンによる立坑を設ける場合の課題を検討した ・新型コロナによる鉄道利用者の大幅減少による影響が継続。収束が見通せない。駅施設の構造・規模、運行計画の検証などについて、影響を注視しながら検討を進めることを再度確認 ※第8回以降は未定 ・地下鉄8号線の整備で住吉駅利用者の増加が見込まれる。 ・朝のピーク時には郊外から都心ぶ向かう利用者が多い傾向 →乗換需要検討では「都心ヘ向かう半蔵門線からの乗換動線」「都心へ向かう都営新宿線からの乗換動線」に着目する必要がある 地下3階(半蔵門線)から地下4階(地下鉄8号線)への乗り換え移動が大きく増加。 将来の需要想定に応じて地下3階と4階を結ぶ商工施設の増設が乗り換え円滑化に効果的 猿江改札の改札機増設が乗り換え円滑化に効果的 シールド工法の場合、立坑を構築する必要があるが、住吉駅では既に半蔵門線のトンネル部などがあるので、立坑の構築は既設構造物との近接施工になる。 近接施工の検討では、既存路線の列車の安全運行確保を前提に周辺支障物調査、施工方法の深度化が必要 住吉駅では東京8号線は地下3階と地下4階の2層想定なのか。半蔵門線も地下3階と地下4階の2層になっていて、ホームの反対側が半蔵門線になるんだな。 ・・・ 東京メトロによる運行の可能性について、有価証券報告書の記載事項と地下鉄補助の補助対象に関する調整が必要としている。 また、事業計画については新型コロナの影響を踏まえた深度化を図るそうだ。これまでと変わりはない。もう技術的な検討は行き着くとこまで行っているような気がする。 7月には関連会議の「今後の地下鉄ネットワークのあり方に関する(東京メトロの株式の売り方検討)小委員会」が答申案を取りまとめる予定だそうだ。答申案の中身がどうなるか。 ・・・ 検討事項としては事業費の精査が残ってる。どうなるんだろうか。 東京メトロの経営環境が大きく変わってしまったことは重要なポイント。東京メトロは2021年度の事業計画の中で次のように記している。 新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、当社の経営環境は大きく変化しており、今後の経営の見通しが不透明な状況であることから、コロナ後の輸送サービスを考慮しつつ、安全の確保を前提に設備投資全般の抜本的な見直しを行う・・・ 四半期単位で約2億人分、年間8億人分の輸送需要が減少している計算。 (中の人作成)=四半期報告書より 国の「勉強会」について
目的
第5回(2020年11月)
第6回(2021年3月)
第7回(2021年5月)
本線部分の建設計画概要(第7回まで)
施工方法(シールド工法)
感想・まとめ
東京メトロの経営環境が激変
輸送人員の推移
参考