東京都の都営交通の経営について考える有識者会議が2023年12月22日に開催された。都内の鉄道・地下鉄新線計画4路線(臨海地下鉄新線含む)について、都営バスの需要に変化が生じる例としてピックアップされていた。過去の鉄道新線開業でバスの乗客が減少した例も示された。85%も減った例があったそうだ(2023/12/25)。
鉄道・地下鉄新線計画と並行する都営バス路線で乗客減少見込む
将来、複数の鉄道新線の整備が計画されているが、並行する路線では都営バスの需要に変化が生じると見込まれるとした。
明示されたのは以下の路線。
1️⃣地下鉄8号線延伸 南北線品川乗り入れ(計画期間 2030年代半ばまで0
2️⃣羽田空港アクセス線(2031年度の開業目指す)
3️⃣都心部臨海地下鉄構想(2040年の実現を目指す)
過去の減少例は2例が示された
減少例 池86系統(池袋サンシャインシティ〜渋谷駅東口) 副都心線開業、54%減
地下鉄副都心線と並行。開業による影響を受けた路線。
1日あたりの乗客数の変化
開業前 2017年度 12295人
開業後 2019年度 5666人
減少率 54%
減少例 里48系統(日暮里駅〜見沼代シンス公園駅) 日暮里舎人ライナー開業、85%減
日暮里舎人ライナーと並行。開業による影響を受けた路線。
1日あたりの乗客数の変化
開業前 2016年度 13537人
開業後 2019年度 1976人
減少率 85%
参考 都営バスの役割と課題
・鉄道を補完する役割
・バス停からすぐに乗車可能で高齢者に優しい交通手段
・人員不足で現在の事業規模を維持できなくなる可能性がある
→新たな交通手段普及や鉄道新線開業による需要変化を見据えた都営バス路線のあり方について長期的な検討必要
感想・まとめ
この資料を見ると、鉄道開業はプラスが多いものの、バス便の大幅減便や路線廃止とセットになることも覚悟しないといけない。バスは乗務員不足と労働時間規制の強化の影響も予想される。江東区の新交通システムは先取りした動きかもね。