都営交通が公共交通機関として中長期的に安定した輸送サービスを提供できる持続可能な経営基盤を確立するため、外部有識者の意見を聞く「都営交通の経営に関する有識者会議」が2022年12月26日に開催され、都営交通の厳しい状況が示された。2023年度にかけて続けられ、次期経営計画の策定に活用するそうだ(2022/12/27)。
「経営計画2022」基本的な考え方
・コロナ禍で大きな打撃を受けた経営を立て直し安定経営への道筋をつけていく
2020年度の乗客:3割程度減少(100万人/日の減少)
乗客数はコロナ前に戻らない見通し
・厳しい経営環境にあっても安全確保、サービス向上などを着実に推進する
財政収支計画と今後の収支見通し
都営地下鉄
・累積資金は2025年度に418億円まで減少。
・コロナ禍の影響がどれだけ深刻なものかが分かる。
・都営地下鉄の回復は民間鉄道会社の回復に追いついていない。
自動車運送事業(都営バス)
・2023年度(令和5年度)に資金がマイナスになり、2025年度にマイナスは47億円まで拡大。それから5年程度で累積資金不足を解消するという計画
・この2年間の経営状況の悪化は深刻。
・乗客数は定期外がコロナ前に比べ2割のマイナス、定期利用者はほぼ回復。
・系統別収支は路線数で見ると黒字1:赤字10の割合(2021年)
さくらトラムと新交通事業
・さくらトラムは毎年1〜2億円の赤字が続く。
・日暮里舎人ライナーは2031年度に累積資金残が31億円のマイナスになることが気になる。
事業別乗客数の推移
感想・まとめ
地下鉄の乗客が戻っていないのか。2021年度の乗客数は200万人/日で20年前の水準に戻ってしまった。有識者会合では持続可能な経営基盤の確立に向けた方策について、各事業ごとに議論が行われるそうだ。
年末のご挨拶
2022年の記事更新は本エントリをもって終了します。みなさま、良いお年を。