都営地下鉄大江戸線の光が丘〜大泉学園間の延伸について、東京都が副知事をトップとする検討組織を設けることを発表した。新駅を3駅設ける構想で収支採算性などの検証を深める(2023/02/21)。
- 知事答弁より(2023年2月21日、都議会代表質問)
- 参考 交通政策審議会答申198号における記述(光が丘〜大泉学園)
- 大江戸線の経緯(練馬区)
- 練馬区がアピールする主な延伸効果
- 練馬区2023年度予算案
- 感想・まとめ
- 参考
知事答弁より(2023年2月21日、都議会代表質問)
大江戸線の延伸は区部北西部と都心部とのアクセスを向上させる意義があるが、鉄道事業として成り立つためには収支採算性の確保について十分見定める必要がある。
都は今年度、将来の旅客需要調査を実施しており、来年度は調整費を増額して収支採算性などの検証を深度化し、事業化にあたっての課題を明確にしていく。
今後、鉄道政策全般を所管する竹内副知事をトップとする庁内検討組織を立ち上げ、練馬区と一層連携を図って協議調整を重ねながら課題解決の方策や今後の進め方についてスピード感をもって検討を深める。
参考 練馬区長(日本経済新聞より)
・前川練馬区長「大きな前進と受け止めている。1日も早い着工に向け小池知事と連携して取り組む」
参考 交通政策審議会答申198号における記述(光が丘〜大泉学園)
意義 東京都区部北西部、北多摩北部、埼玉県南西部と都心部のアクセス会利便性向上
課題
導入空間となりうる道路整備が進んでいる。事業化に向け関係地方公共団体、鉄道事業者等において費用負担のあり方などについて合意形成を進めるべき
分析結果
延長 4・0キロ
総事業費 900億円
輸送密度 50・3〜49・2(千人/日)
政策課題への寄与度 都市機能の高度化のみ◎+
B/C費用便益費 2・0〜2・1
累積資金収支黒字転換年 19年
事業スキーム 地下高速鉄道整備事業費補助
2022年の東京都交通局経営計画で延伸に課題ありと指摘
・大江戸線延伸はコロナの影響を踏まえた将来的旅客需要、採算性確保に課題
大江戸線の経緯(練馬区)
1986年 練馬〜光が丘着工
1990年 新宿〜練馬着工
1991年 練馬〜光が丘開業
1992年 西新宿(都庁前)〜新宿(環状部)着工
1997年 新宿〜練馬開業
2000年 全線開通/運輸政策審議会答申第18号 光が丘〜大泉学園 A2路線指定
2015年 広域交通ネットワーク計画(東京都)
2016年 国交省交通政策審議会答申第198号
2022年 主要事業に地下鉄12号線の延伸に関する調査と明示した調査費計上
2023年 東京都が検討組織設置表明 ←いまココ
練馬区がアピールする主な延伸効果
・鉄道空白地域の解消
・移動時間の短縮
練馬区2023年度予算案
早期事業化を目指し東京都と連携して調査検討 1402万円
延伸を見据えたまちづくり推進 1114万円
区民、各種団体と一体となった促進活動 5593万円
感想・まとめ
2023年度の国の予算編成に対する要望の中で、東京都は従来の「優先整備6路線」の枠組みを一旦リセットしたとみられるが、大江戸線延伸については整備方針に変化はなさそう。事業化へ移行した有楽町線分岐線、南北線分岐線に加えて臨海地下鉄構想が優先的位置付けとなっているので、位置付けとしてはその次、ということになるか。
事業性がまだマシな試算がされている光が丘〜大泉学園間について、東京都が検討組織の立ち上げを発表したことは、練馬区長の言う通り、事業化に向けた前進といえるだろう。まだまだ先は長いと思うけど。
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練馬区のHPは西暦表示がなく、元号から変換するのがいちいち面倒くさい。
併記ぐらいしてほしいと思うなあ。