東京都内の新線構想について、東京都は検討にあたって国の答申への反映を条件としているようだ。直近で対象となる答申は198号答申で、これに掲載されていない新線構想は当面、東京都の検討対象にはならないことを示唆したといえそう(2023/02/23)。
新線整備に関する東京都方針
2022年9月29日 都市整備局長(JR新金貨物線旅客化)
東京圏における鉄道ネットワークは、基本的に国の交通政策審議会の答申に基づき整備等が進められていることから、まず答申に反映されることが必要であると考えている。
答申に位置づけのない本路線(JR新金貨物線旅客化)は、都市計画等の位置づけ、事業化や運営に係る費用負担の検討も含め、区が主体的に取り組むべく8月に検討会を設置した。東京都はこの検討会に国などと共にオブザーバーとして参画し、技術的な助言をする。
2022年12月7日 都市整備局長(武蔵野南線)
東京圏における鉄道ネットワークは、基本的に国の交通政策審議会の答申に基づいて整備などが進められていることから、まず答申に反映されることが必要と考えている。
答申に位置付けのない本路線(武蔵野南線)につきましては、多摩地域から空港へのアクセス向上などの効果が見込まれる一方、終始再先制の確保など、検討すべき様々な課題があり、沿線自治体や鉄道事業者側でこれらの課題について検討することが必要。
2023年2月22日 都市整備局長(南武線)
南武線を活用した羽田空港アクセス。東京都における鉄道ネットワークは基本的に国の方針に基づき整理などが進められていることから、まず答申に反映されることが必要。
南部線には川崎市内の一部区間における複線化の検討や貨物線の運行区間等におけるダイヤ調整、空港への接続方法など様々な技術的課題が想定されている。
東京都は、沿線自治体や鉄道事業者間でこうした課題の解決策の検討や整備効果事業の見通しを立てると共に、国の答申への反映が必要と認識している。
関係者の取り組みを見極めながら適切に対応する。
感想・まとめ
東京都は答申に位置付けのある路線とない路線を明確に分けていることが読み取れる。
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東京都が「答申に反映されることが必要」という立場をとるようになったのは2021年からのようだ。答申に盛り込まれていない新線整備構想・計画は、盛り込まれた新線整備計画・構想とは「別腹」ということがかなり明確になってきた。
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次の交通政策審議会がいつ開かれるかは定められていない。前回までは概ね15年おきに開かれていたんだけどね。そうすると国や都の支援を受けるためには、198号答申は現時点で「最終列車」とも言えそう。
新線構想のハードルは思ったよりもずっと上がっていると言えそうだ。
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中央区、グッジョブ!