2020年5月下旬のプレ運行がアナウンスされた東京BRTの目玉技術の一つ、バスを停留所の縁石に近接(5センチ程度)させる「正着制御」についてのテストが中央区晴海2丁目のBRTターミナルで行われる。プレ運行期間中に実施。晴海2丁目のターミナルで検証を進め、本格運行開始後に各停留所に拡大されるイメージか。車両誘導方式は「誘導線正着制御」となる(2020/02/18)。
(東京BRT)
車両誘導線について
誘導線は「法定線で使用される白・黄色以外、もしくは形状を法定線と明らかに異なる形状にすること」(警察庁)というルールがある。
矢印線も候補だったが「カメラの認識性が落ちる」といった理由から、「緑色・二重破線」になった。緑色も認識精度などから明るいものになったようだ。
敷設日 2020年2月18日
設置場所 晴海2丁目バスターミナル
プレ運行期間のテスト項目
①正着によるバリアフリー効果検証
②正着による乗降時の時間短縮効果
③乗車時、降車時の転倒防止効果検証
④停車.発進時の転倒防止効果検証(誘導線式正着制御による車体の前号左右方向への加速度測定ほか)
スケジュール
2020年
2月ごろ 車両納車
2月ごろ 誘導線敷設(晴海2丁目バスターミナル)
2月〜5月ごろ 習熟運転
3月 運行前評価
5月ごろ 運行時のデータ収集、解析
2021年以降 プレ運行終了
正着制御縁石について
晴海2丁目暫定バスターミナルの縁石の設置は終了しているが、角度の関係から正着縁石かどうかの確認はできなかった。正着縁石っぽいけど。
(中の人撮影)=2020年2月上旬
参考:正着縁石サンプル(汐留)
晴海BRT暫定ターミナルの誘導線敷設について
誘導線敷設工事の様子。明るい緑色の二重破線による誘導となる。
(中の人撮影)
追記:誘導線正着制御の二重破線が消されている(3月上旬)
参考:誘導線正着制御について(仏、ルーアンのケース)
(グーグルアース)=仏ROUEN
参考となるのはフランスのルーアンのBRT(TEOR=ルーアン東西鉄道)で。誘導線正着制御が導入済みで参考にはなるだろう。
特徴:バス専用レーン(TEOR)
①双方向バス専用レーン(延長7・3キロ、一般車両との分離帯あり)
②一般車両と分離されていない専用レーン(延長6・1キロ、分離帯なし)
③一般車両と共有されているレーン(延長16・4キロ)
特徴:自動操舵システム(TEOR)
・停留所に近くと、路面に表示された白線(誘導線)を車両に取り付けられた光学式カメラで読みとり、停留所へのバスの正着が自動操舵により行われる。
・誘導線は白色、50センチ幅の二重破線。
・この横付け補助装置(システム)が作動中、運転手は速度のみをコントロールする。
・誘導線のペンキ塗りかえは2年に1回。一般車両混在する路線では1年に1回実施
・落ち葉除去、雪対策が必要、
・轍に水がたまると認識性が低下するため、アスファルト塗装は6年ごとに実施(通常の道路は10年ごと)
・停留所清掃、落ち葉除去などの管理維持費用は1億1200万ユーロ。
感想・まとめ
ルーアンは停留所停車時に運転士が操舵せず、速度のみコントロール。東京BRTはどうなるのだろう。また、単車タイプのBRT、連節タイプの双方で試験を行うのか、その辺も気になるところ。
(中の人撮影)=2020年2月18日
参考
次世代都市交通システムの正着制御に関する調査研究(2018年3月、計量計画研究所)