都営バスを中心に導入が進むトヨタの燃料電池バス「SORA」の改良型が発売された。「正着制御機能」、バスの車群走行を想定した「車車間通信」、定時性・速達性を高める「PTPS対応」などが柱(2019/08/06)。
(トヨタ自動車)
改良点を見ると完全に「東京BRT」仕様といっていいと思う。
2019年8月発売。
SORA主要諸元
車名 SORA
全長/全幅/全高 10525/2490/3350(ミリ)
定員 座席22、立席56、運転席1 計79人
発売 2019年8月
追加機能について
安全性
①ITSコネクト路車間通信システム
路側装置と車両の通信で取得した情報でドライバーに注意喚起
(トヨタ自動車)
・右折時注意喚起(対向車直進、右折先歩行者)
・赤信号注意喚起(赤信号に接近時、見落としの可能性がある場合)
・赤信号減速支援(赤信号停止予測時、早めの減速を推奨)
・信号待ち発進準備案内(赤信号の待ち時間目安表示)
②ドライバー異常時対応システム(EDSS)
ドライバーに異常発生時、乗客・乗務員が非常ブレーキスイッチを押すと減速して停止する。 ボタン押下後、軽微制動3・2秒の後、停止制動がかかり、警笛(ホーン)がなる。 (いすゞ自動車
#147 ハイブリッド連節バスは「エルガデュオ」 東京BRT導入へ、1台9500万円!! - dorattara! Season4
③衝突警報
・車両前方のミリ波レーダーが先行車や障害物との衝突の危険性を検出した時にドライバーに警告。路線バスではドライバーの運転操作による回避操作を支援。
輸送力
①ITSコネクト車群情報提供サービス
(トヨタ自動車)
⑴車群認識機能
⑵バス停発射可能情報
車群を構成する車両間で旅客の乗降状況を把握。バス停からの同時発車を支援。
②ITSコネクト通信利用型レーダークルーズコントロール
・円滑な加減速を支援する「全車速レーダークルーズコントロール」搭載
・先行車が「通信利用型レーダークルーズコントロール」対応の場合、車車間通信で得た先行車の加減速情報に反応してスムーズに追従する。
→バス専用道での車群走行想定。
速達・定時性
①ITSコネクト電波型PTPS(車群対応機能付)
・ITS専用無線で青信号の延長、赤信号の短縮を路側装置に要求。車群走行時に最後尾車両から青信号延長の要求を出す事で赤信号による車群分断リスクを減らす。
参考:高度化PTPS
バリアフリー
①自動正着制御(オプション)
(トヨタ自動車)
・路面の誘導線をカメラが検知、自動操舵+自動減速で乗降場の所定の位置にバス停から隙間を開けずに停車させ、車椅子やベビーカー利用時の乗降性を向上させる。
感想・まとめ
追加機能の多くは東京BRTの必須機能。
連節バス「エルガデュオ」に導入される機能とかなりの部分が重なる。
「東京BRT」に導入される通常型、連節型の車両の双方がこれで固まったと言って良さそう。
また、導入される正着制御は自動操舵+自動減速で実現するらしい。
自動運転のレベルは「操舵」と「加減速」を同時に行う「レベル2」ということになりそう。
(国土交通省、2017年)
内閣府が当初目標にしていた東京2020大会時点での「レベル3:条件付き運転自動化」の実用化とはかなりの開きがある印象。