どらったら!!

東京都中央区、江東区の臨海部を中心としたメモ。独自の情報を除いては、報道ベースではなく、発表主体の情報をベースに書くことを基本にしています。最近はゲリラ的な花火大会情報も提供。

#1558 整備根拠の「混雑率緩和」は説明を回避 有楽町線分岐線の地域公共交通計画

東京メトロ有楽町線分岐線(豊洲〜住吉)の地域公共交通計画に、新型コロナ流行にともなう鉄道需要の減少が反映された。だた、整備根拠を記載した「課題」の項目で「東西線の混雑率180%未満(国の目標値)」の2年連続達成について記載を回避し、説明を避けた形となった(2023/01/18)。

地域公共交通計画=東京都

地域公共交通計画

計画の目的

 東京都と江東区が策定。臨海副都心東京都区部東部の観光拠点のアクセス利便性向上、東京メトロ東西線の混雑緩和、駅利便性向上。

計画区域

地域公共交通計画案=東京都

鉄道交通の状況=周辺路線の乗降人員の推移

地域公共交通計画=東京都

周辺路線の最混雑1時間あたりの混雑率

地域公共交通計画=東京都

課題の記述、不適切か

地域公共交通計画 課題より=東京都

 整備根拠を示す公共交通計画の「課題」の項目に、新型コロナの影響を反映した記述がみられたが、新型コロナ流行前の増加傾向を根拠に整備促進を求める内容のままとなっていた。

dorattara.hatenablog.com

 ピーク時混雑率について「(東西線の一部区間は)感染拡大前までは199%となっており、国が定める目標値を大幅に上回っている」という説明だが、東西線の混雑率は2020年度、21年度には120%台に低下している。

 課題は2年連続でクリアされている部分を無視していて、説明としては不適切な内容だ。

混雑率が課題にならないとの指摘:否定せず

パブリックコメントで寄せられた意見と回答に次のような記述。

意見募集の結果より=地域公共交通計画

東京都の回答は「東西線の混雑率緩和に資する」としているが、2020年度、21年度は120%台で、国の目標値180%未満を達成しており、整備理由としては不適切だろう。東京都の回答は別の整備根拠も列記する形になっている。

感想・まとめ

 地域公共交通計画案の段階では、新型コロナによる鉄道需要減少が反映されていなかったが地域公共交通計画となって反映された。それ自体は歓迎したい。

・・・

 新型コロナ流行で鉄道需要が大幅に減った中、混雑率緩和を課題とするには無理があり、有楽町線分岐線の整備理由は鉄道ネットワーク強化を軸に据える見直しが必要だったと思うが、そこまでやる時間がなかったということになるか。

 今後の鉄道整備の根拠としては国際競争力強化に資する鉄道ネットワークの強化ぐらいしか理由にならない気がするが、臨海地域地下鉄も含め、整備根拠が明確なら整備を進めてほしいので、今後の地域公共交通計画ではしっかり整備理由を練ってほしい。

参考

www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp