東京都が臨海部の地域公共交通計画についての分析結果を公表している。2022年4月末時点のもので、東京BRTの現状と、地域公共交通計画の分析をまとめたもの。この資料上は晴海二丁目の本設ターミナルは維持されているようだ(2022/07/20)。
- 東京都臨海部地域公共交通計画
- 東京BRT概要
- BRT等と連携した新たな公共交通ネットワーク構築/計画区域内の公共交通利便性向上
- 地域間移動ネットワークの改善について
- 多様な端末交通の充実
- 乗り継ぎ抵抗の低減
- 新たなまちづくりと連携した公共交通網の形成
- 感想・まとめ
- 参考
東京都臨海部地域公共交通計画
目的 臨海部(青点線)の都市造りと整合した公共交通網構築のためのマスタープラン
計画期間 2016年度〜2025年度(10年間)
計画区域
東京BRT概要
・東京都は臨海地域の交通需要増加に速やかに対応するため、都心と臨海地域を結ぶBRTの整備を推進
2020年10月 プレ運行(1次)開始
2021年12月 プレ運行(2次)に必要な停留所の施設整備工事起工、1月不調
2022年 3月
工事可能な停留所(豊洲市場前、有明テニスの森、国際展示場)の整備工事起工、契約
※今後 他の停留所も整備。プレ運行(2次)のルート、開始時期は決まり次HPで告知
スケジュールの遅れ具合
BRT等と連携した新たな公共交通ネットワーク構築/計画区域内の公共交通利便性向上
目標値の検証 計画区域内の公共交通利便性向上/計画区域内の居住地から目的地までの加重平均時間の短縮
数値目標
現況人口 新橋駅までの加重平均時間 27分/晴海五丁目まで 36・6分
将来人口 29・1分
鉄道駅からはなれた地域が存在する「勝どき・豊海地区」と「晴海五丁目地区」において、開発に対応した輸送力・速達性・定時性を有する幹線的公共交通整備により、都心部と臨海部間のアクセス向上を目指す
現状では晴海二丁目、晴海埠頭先端部で新橋アクセスが10分以上短縮。晴海全域と勝どき五丁目、六丁目、豊洲埠頭先端部で5〜10分程度の短縮効果が示されている
※加重平均時間とは
(メッシュの人口×メッシュから目的地まで公共交通機関を利用した所要時間)を対象地域の総人口で割ったもの。
BRTがある場合とない場合に分けて変化量を調べる
目標値の検証 新たな輸送需要に対応した路線バスの拡充(1路線以上)
数値目標 新たな交通需要に対応した路線バスの拡充 1路線
・JRバス関東 東京駅〜国際展示場・東京ビッグサイト、東京港フェリーターミナル線を2021年12月より運行開始
・そのほかは変化なし
・利便増進計画策定後は路線網や運賃等について、新規路線事業者との調整を図る
※絶句。東京駅〜東京港フェリーターミナル線でおしまいかい?
地域間移動ネットワークの改善について
目標値の検証 公共交通機関へのアクセス性が低い場所に住んでいる人口割合
数値目標 アクセス性が低い箇所に居住している人口割合を20%以上減少
※既存バス停と東京BRTプレ運行(1次)の停留所圏域は概ね重複。周辺の人口推移で若干減少したようだ
多様な端末交通の充実
数値目標の説明と検証 駅端末公共交通機関分担率向上
数値目標
大都市交通センサスでの自動車以外の端末期間分担率増加
※利用低迷。新型コロナの影響が大きい。
数値目標 自転車シェアリングポートの新設
数値目標 自転車シェアリングのサイクルポート 計画期間後半で20カ所
乗り継ぎ抵抗の低減
数値目標 乗継ぎにおいて物理的なつながりがとれた施設、ユニバーサルデザイン・バリアフリー、情報提供等の充実した交通結節点の新設(期間後半で1箇所以上)
※晴海二丁目の東京BRTターミナル(本設)に変更なし
新たなまちづくりと連携した公共交通網の形成
数値目標 新たなまちづくりにおける新しいモビリティサービスの導入 1箇所以上
※え、臨海部実証実験も1件とカウントしちゃうのか・・・
感想・まとめ
新型コロナの影響を考えれば、こういう計画があるだけマシと考えたほうがいいのだろうか。例えば、臨海部の路線バス拡充って、東京駅〜フェリーターミナル線のことですか?
そうですか。
晴海二丁目に東京BRTの本設ターミナルを設ける内容に変更はないようなのがわずかな救いか・・・
参考