東京都が2016年に公表した「東京都臨海部地域公共交通網形成計画」(旧計画)に代わる新計画案「東京都臨海部地域公共交通計画」(案)を公表した。154ページにわたる膨大なもで、重要と思われる点に絞って内容を5回に分けて確認しておく。
4回目は計画における5つの基本方針と計画目標、施策について(2021/01/03)。
(東京都)
計画区域
・東京都臨海部における公共交通網の構築が目的。隣接する都心部、都心部を通過点として周辺に広がる広域公共交通との接続地点を含むエリア
(東京都)
5つの基本方針の設定とスケジュール
①新たな機関公共交通軸(BRT等)と連携した公共交通網の形成
現在ある鉄軌道とともに新たな公共交通軸となるBRT、路線バスネットワークを最大限有効活用し、都心部へのアクセス性と区域内移動の利便性を向上させる
スケジュール
(東京都)
〜2021年後半 プレ1次運行
2021年後半〜2022年度 プレ2次運行
2022年度以降 本格運行
②不足する地域間移動ネットワークの充実
(東京都)
既往の鉄軌道、BRTの幹線ネットワーク、フィーダー路線の充実
臨海部からの連絡機能が不足している都心部アクセス性を高める路線バスの拡充・再編。計画区域外も含めた対応。
スケジュール
(東京都)
鉄軌道、BRT停留所にアクセスする循環・ピストン型バス路線の導入
通期 必要に応じ導入検討
2024年度以降 必要に応じ導入
③機能向上が必要な駅端末交通の充実(わかりにくい)
居住地、主要な目的施設から鉄軌道、BRTへアクセスする多様な端末交通手段が生まれる可能性。多様な交通の結節を支援することが必要
(東京都)
スケジュール
端末交通手段の充実
通期 運用に向けた環境整備
シェアサイクルの充実
〜2025年度 拡充実施
④多様な来訪者が存在する地域の特性を考慮したシームレスな交通体系の構築
乗り継ぎ利便性の向上を図る必要
・交通手段が一体的に機能し、利便性・快適性を向上できるように
・鉄道〜バス、自転車等の交通モード間連携、バリア解消の取り組みに遅れ。将来的にシームレスな交通体系が実現できるように
スケジュール
(東京都)
交通結節機能の活用
2023年度〜 交通結節機能の評価・改善検討・設計
BRT利用のシームレス化
〜2023年度 整備実施
拠点駅でのシームレス化
〜2023年度 拠点駅の評価・改善検討・設計
2024年度〜25年度 ハード面の改善
2021年度〜22年度半ば ソフト面の改善
UDタクシー乗り場の設置拡大
通期 事業者の計画への反映
2022年度〜 拡充実施
⑤地域資源を生かし、まちづくりを支援する新たなモビリティの導入
計画区域内、その周辺では今後も都市整備が進展する。都市基盤を有効活用しながら、既往の公共交通機関とは異なる概念のモビリティの可能性を想定。新たなモビリティの導入を推進していく。
スケジュール
(東京都)
まちづくりと一体となった交通施策
通期 事業者との協議、計画への反映
2022年度〜 本格運行開始に向けた機能導入
計画目標の設定、施策について
①新たな機関公共交通軸(BRT等)と連携した公共交通網の形成
(東京都)
※2025年度以降、BRTネットワークの拡充が明記されているので、東雲エリアはアピールしたらええんじゃないですかね。
都心と臨海地域を結ぶ路線(計画区域内のバスネットワーク)
BRT運行開始後の利用者動向に応じ、必要に応じて拡充、再編などの運航計画を検討する
②不足する地域間移動ネットワークの充実
(東京都)
※鉄軌道やBRTアクセス向上のためのコミュニティバス導入が示されている。
(東京都)
公共交通利用へのアクセス性が低い箇所での地域公共交通導入・再編の例
・新たなバス路線はBRTとの役割分担、BRTと結節する路線を検討
・アクセス性が低い場所がどう変化するかを確認し、アクセス性が高まるエリアの人口集積、将来的人口集積を優先した路線の導入.再編を実施(2021年度以降)
※公共交通利用へのアクセス性が低い箇所として資料で取り上げられたのは
中央区佃、勝どき、晴海5丁目、江東区豊洲埠頭先端部、有明のいずれも一部。
③機能向上が必要な駅端末交通の充実
(東京都)
・超小型モビリティ・カーシェアの展開支援
・臨海部は新たな交通モードの実験の場。多様なタイプの自動運転車両による実証、デモンストレーション実施予定
(お台場/青海など2021年度以降)
→超小型モビリティ、カーシェアの導入をはかる
④多様な来訪者が存在する地域の特性を考慮したシームレスな交通体系の構築
(東京都)
※「交通結節点」としては具体的にはメブクス豊洲が上がっているようだ。
⑤地域資源を生かし、まちづくりを支援する新たなモビリティの導入
(東京都)
※2025年度以降(計画期間街)に自動運転技術を活用した移動サービス支援が示された。
計画のスケジュール
①新たな機関公共交通軸(BRT等)と連携した公共交通網の形成
②不足する地域間移動ネットワークの充実
③機能向上が必要な駅端末交通の充実(わかりにくい)
居住地、主要な目的施設から鉄軌道、BRTへアクセスする多様な端末交通手段が生まれる可能性。多様な交通の結節を支援することが必要
④多様な来訪者が存在する地域の特性を考慮したシームレスな交通体系の構築
乗り継ぎ利便性の向上を図る必要
・交通手段が一体的に機能し、利便性・快適性を向上できるように
・鉄道〜バス、自転車等の交通モード間連携、バリア解消の取り組みに遅れ。将来的にシームレスな交通体系が実現できるように
⑤地域資源を生かし、まちづくりを支援する新たなモビリティの導入
計画区域内、その周辺では今後も都市整備が進展する。都市基盤を有効活用しながら、既往の公共交通機関とは異なる概念のモビリティの可能性を想定。新たなモビリティの導入を推進していく。
感想・まとめ
2025年度までを計画期間としながら、2025年度までとその後の施策を盛り込むというちょっと変わった計画になった。
150ページ超の資料なので、ざっくりまとめてエントリ4回分になった。
なお、臨海地下鉄新線や東京8号線は計画期間中に実現する可能性はないのだろう。ほぼ触れていない。
あと、シェアサイクルの拡充が2025年度で終わりになっている。
ご意見がある方は23日まで(参考リンクよりどうぞ)。
あれ?あと1回分は?