バスステーションに自動幅寄せする正着制御について、東京BRTが2021年10月22日にモニターを乗せた実証実験を晴海BRTターミナルで実施した。あいにくの雨で路面反射がかなりあって条件は悪かったにもかかわらず、自動幅寄せの精度は高く、プラットホームとの間隔はわずか6センチ。モニターに参加したベビーカーのご家族がらくらくと乗降しているのを目の当たりにし、この技術のポテンシャルの高さを感じた(2021/10/22)。
正着制御について
バス停にバスを隙間なく停車させ、車いすやベビーカーが解除なしで乗降できる使いやすさを実現する。バスステーションに自動幅寄せし、車体を傾けることで乗り場とバス内の床面の段差をなくす。 (内閣府)
#825 東京BRTが正着制御の実証実験モニター募集 車いす、ベビーカーの方は参加してみては? - dorattara! Season4
実験目的
バス停車時のバス乗降口とバス停間の隙間を小さくする技術(正着制御)の効果検証。
実験の流れ
走行見学ののち、乗車体験(通常停車→手動正着→自動正着)をして、アンケートに回答する。揺れ、乗降しやすさの比較が主な内容。所要時間は1時間。
通常停車:普段の停車
手動正着:手動運転で正着縁石にタイヤを擦り付け停車させる方法
自動正着:自動運転によりバス乗降口とバス停間の隙間を小さくする方法
通常停車の場合
・バスとプラットホームの感覚は水平方向は狭いものの、垂直方向の段差が数センチあって、ベビーカーや車いすの乗降は簡単ではない。
手動正着の場合
・段差は台のおかげでほとんどなかった。このレベルになると、ベビーカーや車椅子でもスイスイ乗降が可能だろう。正確に停車させるには運転士の負荷があるかもしれないと思った。
自動正着の場合
・バスとプラットホームの間隔は6センチ。垂直方向の段差はほぼなし。
感想・まとめ
こちらは正着制御モニターに使われたのは車番1001の「ハロウィーンバス」。
これはインパクトあるわ〜。
・・・
ハロウィーン仕様の見た目のインパクトは別として、正着制御運行するBRTに乗車したのは実は初めてだった。車いす利用者、ベビーカー利用者のほか、大きな荷物を持った人の乗降がストレスフリーになる技術のポテンシャルの大きさを改めて感じた。
ただ、手動では運転士の負荷が結構ありそうで、そこは自動正着で実現するのが望ましい。
差別化には全ステーションへの導入が必要だが、まずは新橋だろうか。
・・・
地下鉄のプラットホームからの乗降はバリアフリーがかなり実現しているが、臨海地域では乗降にはどうしてもかなりの垂直移動が伴う。
正着制御でバリアフリー化されたBRTなら垂直移動は不要で、そのままストレスなく乗降が可能。ベビーカーがサポートなしにスイスイ乗れるっていうのはやはり驚きがある。
参考