東京地区の2021−22年冬の電力需要は過去10年で最も厳しい気象を想定した「H1需要」の予測では需要が供給を上回る厳しいものだったが、最新の予測では最低限の電力が確保できる見通しとなった(2021/10/21)
2021年冬の東京エリアの需給見通し
・10年に1回の厳しい寒さになった場合でも、全エリアで安定供給に必要な予備率3%は確保できる見込み。ただし過去10年で最も厳しい見通し。東京エリアの予備率は1月3・2%、2月3・1%とぎりぎり。
LNG在庫
・過去5年で最高水準にある。
・需給逼迫の蓋然性は低い。
参考:世界的な電力の逼迫について
中国での逼迫
コロナからの経済回復で2021年上半期の電力需要は前年同期比+16・2%
発電用石炭の価格上昇で、7割を占める石炭火力の発電量伸び悩み
水力、風力も計画を下回る
インドでの逼迫
石炭輸入譚の価格高騰、長雨による採炭、輸送停滞で2021年8月以降、発電用石炭貯蔵低下
電力の7割を占める石炭火力135箇所の半数以上で燃料在庫が3日未満。北部州で停電相次ぐ
欧州での卸売電力価格高騰
天然ガス価格高騰、経済活動回復による需要増大、排出枠価格高騰、天候不順による風力低迷などで、卸売電力価格が前年の2倍以上のkWhあたり20円前後に上昇
参考:「警戒モード」の導入
計画停電、需要逼迫警報・節電要請の前段階として「警戒モード」導入が検討されるようだ。
参考:計画停電の実施について
前日1800めど 需給逼迫警報(第一報)=節電のお願い、要請
広域融通、需給対策をしても複数エリアの予備率が3%を下回る見通しになった場合
翌日節電要請、計画停電の可能性がある場合、送配電事業者が実施可能性を公表する
当日0900めど 需給逼迫警報(第二報)=節電のお願い、要請
資源エネルギー庁が発表
実需給の3ー4時間前 需給逼迫警報(第三報)=節電のお願い、要請
需給逼迫が解消されない場合、資源エネルギー庁が発表
警報発令、節電要請後も予備率1%を下回る見通しの場合
実需給の2時間程度前 計画停電の実施を発表する
参考:電力需給逼迫時対応フロー
感想・まとめ
電力不足はとりあえずなさそうな状況になった。一安心。
世界中で電力不足が起きていようとは。
心して節電に努めることにしよう。