第一波をなんとか凌ぎ切った安心感が目立つ新型コロナウイルス。最新の状況分析が政府の「新型コロナウイルス感染症対策分科会」の資料として公表されているので、内容をみておく(2020/07/23)
概要
(分科会)
直近の感染状況
新規感染者の動向
・全国的に継続して増加傾向
・人口10万人あたりの1週間の累積感染者数(7月20日時点)
全国 2・80人/東京 11・01人
・東京都では、接客を伴う飲食店、、友人・知人との飲み会などで若年層を中心に感染者増加続く。その他の年代も増加傾向
→3密回避、大声を上げる環境の回避、接待・会食ての飛沫防止、換気徹底を。
(分科会)
・感染者のうち60代以上は1割、3/4は20〜30代。
・3密環境で数十人単位のクラスター発生
入院患者数の動向
・入院患者数は増加。受け入れ可能病床に対する割合も増加。
入院者数 全国1717人(8・8%)、東京 949人(28・8%)
・重症患者数、少しずつ増加。
重症者数 全国 41人(1・6%)、東京 14人(3・5%)
検査体制
(分科会)
・着実に拡充。(直近1週間の検査数は全国で7万件超)
・検査数に対する陽性者の割合は少しずつ増加
7/6〜12の期間 全国3・0%、東京5・9%
(緊急事態宣言時は8・8%)
・発症日〜診断日の平均日数は横ばい(約5日)
→現時点で重症者が少なく、直ちに逼迫する状況にはない。
一部地域では軽症・中等症患者向け医療施設が十分に確保されていない
社会経済と感染対策両立のための目標と基本戦略
目標
医療・公衆衛生・経済的に許容可能なレベルに感染抑制、死者の最小化
基本戦略
感染拡大しにくい社会を作り、少なくとも微減を目指す
社会:集団感染の早期封じ込め
医療:重症化予防と重症者への適切な医療提供
政府への提案
①合理的感染対策のための迅速なリスク評価
自治体はリスク評価に基づき、効率的なリソース配分を行い、優先順位をつけて迅速に実施
②集団感染の早期封じ込め
徹底した院内・施設等などの集団感染の未然防止と早期検知ほか
③基本的な感染予防の徹底(3密回避など)
④保健所の業務支援と医療体制の強化
参考:「富岳」によるシミュレーション
コンサートホール内近接飛沫リスク評価
強い咳を連続して2回、2秒毎に8回繰り返す
マスクなしの場合、大きな飛沫が前列に到達
マスクありの場合、小さな飛沫のみ感染者の回りを漂うが、体温とエアコンで上昇。感染者の両サイドのに要注意
(分科会)
→客席で大声を伴う場合、マスク着用+隣席との身体的距離確保
歌唱時、ステージ上に立った状態で強い咳を連続して2回した場合
大きな飛沫はほぼ人の身長の範囲に落下
小さな飛沫は2メートル以上飛散、ほぼ落下しないで拡散
(分科会)
→歌唱の場合、舞台から客席まで2mとすること/適切な換気が有効