日本橋上空の首都高を地下化する「首都高日本橋地下化検討会」のまとめを受け、残る課題となっていた「大型車の環状機能確保」に関する第3回検討会が2020年3月開かれ、さらに中間取りまとめが発表された(2020/03/10)。
日本橋地下化に当たって、「KK線の地下に別線を整備する案」で関係機関と調整することが確認された。この案は高速晴海線との接続を想定している。
- 前置き:首都高日本橋地下化検討会(すでに終了)
- 検討会の流れ
- 「首都高都心環状線の大型車交通の環状機能確保作「中間取りまとめ」(2020年3月10日)
- 第3回検討会(3月2日〜5日、持ち回り)
- 都市高速のネットワーク拡張性
- 交通機能の変化
- 参考:第1回検討会(2018年12月)
- 参考:第2回検討会(2019年5月)
- 今後の流れ
- 感想・まとめ
- 参考
前置き:首都高日本橋地下化検討会(すでに終了)
首都高日本橋区間地下化の対象区間
検討会の流れ
(国土交通省)
「首都高都心環状線の大型車交通の環状機能確保作「中間取りまとめ」(2020年3月10日)
→「別線(地下)整備案の具体化に向けて関係機関と調整進める
第3回検討会(3月2日〜5日、持ち回り)
・KK線の構造強化案は銀座の賑わいへの影響大。合意形成が困難
・別線整備は銀座の賑わい、テナントへの影響に配慮した案
(そのほか)
・KK線全線の一体的有効活用策の検討が可能になった。KK線の既存施設のあり方検討会で前向きな検討期待
・高速晴海線延伸について、関係者が連携して交通計画のあり方を検討、事業化へ向けて取り組む必要あり
大型車交通の環状機能確保策の比較・検討
→ここでは別線(地下)案についてのみ取り上げる。
(国土交通省)
別線(地下)整備案のルート・構造形式
(国土交通省)
・周辺のまちづくり、築地川区間の大規模更新事業と連携。
・日本橋区間の地下化の工事工程に合わせて事業を実施。
大型車の環状方向の交通機能
八重洲線と別線で確保される。
KK線の主たる交通機能が別線に転換。
事業実現性
既設八重洲線を活用、KK線の下の地下空間を通過させる。地下埋設物の移設は、関係機関との調整必要
事業期間
10〜15年程度
都市高速道路ネットワークの拡張性
新たな都心環状ルートが高速晴海線と接続すると、江戸橋・箱崎JCTなどの渋滞ポイント避けて、都心と湾岸線の相互アクセスが可能
KK線の有効活用策の検討区間
全線(京橋〜汐留)検討可能
KK線は八重洲線との接続困難になり、通過交通が別線に転換
→KK線は自動車専用道路としての役割が大きく低下する
都市高速のネットワーク拡張性
現在の状況
(国土交通省)
別線整備時
(国土交通省)
・高速晴海線の整備など、ネットワークの進展でさらなる交通分散が期待される
交通機能の変化
(国土交通省)
・・・
参考:第1回検討会(2018年12月)
日本橋区間地下化の際、都心環状線の大型車通行を確保するため、
・KK線の構造強化/KK線の地下に別線整備についての検討を実施。
参考:第2回検討会(2019年5月)
・KK線の構造強化/KK線の地下に別線整備についての検討を深化。
今後の流れ
・関係機関との調整(概算事業費と事業スキームの検討など)
・都市計画手続き
・有料事業許可、事業認可手続き
ん、まだまだ先は長い。
感想・まとめ
それにしても資料中に「都市高速道路晴海線(計画)」の文字の多いこと。第2回検討会では「晴海線計画との整合」とさらっと触れた感じだったが、第3回で関連がより明確になった。
中間とりまとめを見て、「ああ、これがあったから中央区は晴海線延伸に反対しなかったのか」と納得。 これにより都心部・臨海地域地下鉄構想の臨海部の想定ルートもほぼ固まったと考えていいだろう。
別線(地下)整備は事業期間10年〜15年という長期にわたるが、この話とも絡む。
築地川アメニティ構想+KK線歩行者通路
(中の人)
中央区のどまんなかに大きな「緑の輪」が出来上がることになる。
#298 中央区の都市基盤イメージは? 「緑の輪」と「臨海地下鉄ルート」 - dorattara! Season4