東京都中央区が2019年9月に発表した「築地川アメニティ整備構想」の資料が公表された。一言でまとめると、川を埋めてつくった首都高都心環状線の「築地川区間」にフタをして、その上に「アメニティ空間」を作るという内容(2019/09/18)。
(中央区)
築地川アメニティ整備構想の背景
中央区の人口増加に伴い、1人あたりの公園面積は減少が続く。首都高都心環状線の築地川区間の大規模更新に合わせて公園空間を拡充する必要がある。
銀座と築地をつなぐ新たなアメニティ空間の創出
(中央区)
首都高築地川区間の上部空間を活用し、現在分かれている銀座と築地のまちをつなぎ、快適で良好な都市空間づくりを目指す。
首都高の更新と連携したまちづくりの可能性がある3つのエリア
エリア1 中央区役所周辺
老朽化庁舎の建て替えが必要。次の公共施設を検討中
エリア2 築地1丁目
老朽化した街並みが存在。まちづくり検討中
(中央区)
エリア3 采女橋周辺
老朽化した街並みが存在。まちづくりに課題がある
(中央区)
緑化空間
(中央区)
※広大なウッドデッキを敷き詰めたイメージ。
都心に開かれた新たな緑地空間
水と緑のネットワーク
環境配慮型の都市空間
回遊動線・結節空間
(中央区)
※晴海通りは平面交差ではなく、階段などを整備した人工地盤的な動線作りをイメージか。
都市の顔となるストリート
交通結節性の高い歩行者ネットワーク
→晴海通りの歩行者横断機能強化
憩い・賑わい空間
(中央区)
※パブリックビューイングなどでの利用を想定か。
都市生活を支えるアメニティ環境
安心.安全な暮らしを支える防災活動拠点
誰もが使えるパブリックスペース
実現に向けた多くの課題
①首都高速都心環状線の大規模更新と上部空間の整備方法
②首都高速都心環状線の大規模更新計画などと周辺まちづくりとの連携
③事業スキーム
④首都高速の上部空間の適切な維持・管理方法
→構想実現には首都高速都心環状線の交通機能を阻害しない工夫が必要。関係機関との協議調整には多くの時間が必要。
今後の進め方
首都高速では都心環状線の大規模更新、日本橋地下化など環状機能確保に向けた検討進む。これらを注視しながら構想の検討を深める。
感想・まとめ
都心環状線の大規模更新に遅れることがないように構想を打ち出した印象。とても夢のある構想だが、実現に向けては、事業スキームを含め、前提となる事項の多くが決まっていない。相当の期間がかかるだろうが、なんとか実現にこぎつけてほしいものだ。
一点だけ。
交通結節性の高い歩行者ネットワーク
これを見ると、地下鉄日比谷線と有楽町線の地下道による結節はない、という状況に変化はなさそう。
(参考)過去エントリ
(追記)今後、両駅が地下道で結ばれる可能性は低い。
道路地下の既存埋設物(配電関連施設)の移設が困難らしい。