※東京都の事業計画案で、「勝どき・晴海駅」は否定されています。それぞれ「勝どき駅」「晴海駅」となることが示されました。
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都心・臨海地下鉄新線構想の勝どき・晴海駅(仮)の場所はどのあたりになるのか久しぶりに考えてみた。
地下鉄が大量輸送機関であることを考えると、新築地(仮)と新国際展示場(仮)という2つの大規模業務エリアを結ぶルートとしては、晴海フラッグのような住宅地ではなく、終日需要の見込める晴海トリトンスクエアのような業務エリア近傍を通す方が望ましい。
中央区臨海部の公共交通不便地域の解消という目的から見て、大江戸線勝どき駅と地下通路で接続する形で朝潮運河をまたぎ、晴海側に出口を多くする可能性が高いと予想する(2022/06/23)。
- 勝どき・晴海駅(仮)の全体イメージと代表的な地下通路(予想)
- 勝どき・晴海駅(仮)の長さ
- 勝どき・晴海駅(仮)の深さ
- 勝どき・晴海駅(仮)の場所
- 地下鉄新駅と晴海四丁目施設の接続(地下通路A)
- 地下鉄新駅と晴海トリトンスクエアの接続(地下通路B)
- 地下40mから地上へのエスカレーター長
- 感想・まとめ
- 参考
勝どき・晴海駅(仮)の全体イメージと代表的な地下通路(予想)
事業採算性の厳しい臨海地下鉄新線は、通勤通学時しか需要の見込めない住宅エリアではなく、中央区案に示されている通り終日需要の見込める業務地区(晴海トリトンスクエア/晴海三丁目東地区)に近いルートを通すだろう。
勝どき・晴海駅(仮)の長さ
つくばエクスプレスのTX3000系車両
20800ミリ(先頭車)/20000ミリ(中感車)
→10両編成とすると約210メートルプラスアルファ(1面2線の場合)と考られる。2層・各層1面1線だとホーム長が290mぐらいになるようだ。
勝どき・晴海駅(仮)の深さ
隅田川と春海運河の下を通す上、大江戸線勝どき駅の下を通過するので、どうやっても深さ40mの大深度に近い深さになるだろう。
勝どき・晴海駅(仮)の場所
新築地駅(仮)が隅田川直近に設けられるようなので、大江戸線勝どき駅より北側に寄せる可能性はなく、勝どき駅南側になるだろう。
晴海地区の公共交通不便地域(駅勢圏外側)の解消を考えると、勝どき側から見て晴海側(南方向)にかなり寄せてホームが造られる。この場合、タワーマンションと月島機械株式会社ビルの基礎に干渉する恐れがあるので、いずれか(おそらく月島機械ビル)の基礎を受けかえる「アンダーピニング工法」によるホーム工事が行われるかもしれない。
また「勝どき・晴海駅」なので、地下通路で臨海地下鉄新線の新駅と大江戸線勝どき駅を結ぶ形になる
勝どき駅からパークタワー勝どきに伸びる地下通路を拡張して新駅へのアクセスルートとすると思う。
地下鉄新駅と晴海四丁目施設の接続(地下通路A)
中央区は晴海地区に4か所のペデストリアンブリッジを設ける考え(図)を示していて、晴海一丁目〜三丁目間のブリッジは工事がスタートしている。
晴海四丁目施設へのアクセスを考えた場合、地下鉄構想が実現するのならペデストリアンブリッジをつくるよりも都道304号線の地下に通路を通す方がスッキリする。
図の地下通路Aは約125m程度で十分可能な長さ。この場合、出入り口から晴海四丁目複合施設までは徒歩3分圏となる。
地下鉄構想実現には時間がかかるので、ブリッジをつくるかどうかは新線構想進捗との見合いになるかもしれない。
地下鉄新駅と晴海トリトンスクエアの接続(地下通路B)
このエリアに新しい地下鉄駅を作る上で、地域最大のオフィスエリアである晴海トリトンスクエアとのバリアフリールートの確保は必須となる。晴海側に寄せた駅から晴海通り方向に地下通路を伸ばし、トリトンスクエアにつながるペデストリアンブリッジにエレベーターでアクセスできるような形にするのではないか。中央区資料にもそのような表記が見られる。
中央区の説明資料では事務所棟とホテル棟を貫く形でペデストリアンブリッジと見られる連絡通路を設けるイメージが示されている。少なくとも将来そのような形で拡張されるような作りになるだろう。
地下40mから地上へのエスカレーター長
地下40mから地上へのアクセスについて。国土交通省告示によると、1分間に進む距離が45m以下のエスカレーターの場合、角度は8度〜30度と定められているそうなので角度30度の場合は長さ約70mとなる。30度の場合は1分40秒ほど乗っていることになる。結構怖い。エレベーター併設になるだろう。
感想・まとめ
地下鉄、新交通、LRTのような中量・大量輸送向けの公共交通機関は、一度作るとルートが変更できない。住宅地は更新されないため住宅街をメインにしたルートでは20〜30年で住民が老いて地下鉄を使わなくなってしまう。
これに対し業務エリアは利用者の老いがなく、ある程度の経つと更新される可能性もあって利用者の老いに対する懸念は少ない。
そう考えると本エントリに示したようなルート、駅位置になるのではないか。
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中の人が考えているイメージはこんな感じ。
・ルートは中央区案通り。
・新駅は朝潮運河直下。公共交通不便地域の解消が目的の一つである以上、晴海側に可能な限り寄せ、大江戸線勝どき駅とはやや長めの地下通路で結ぶ。
・地域最大のオフィス集積地である晴海トリトンスクエアへと、晴海四丁目複合施設に向けたバリアフリールート確保が検討される。
・晴海二丁目の交通結節機能用地とのアクセスは検討されない。(トリトンスクエア〜交通結節機能用地のペデストリアンブリッジ接続の方が先に実現しそう)。
・ホーム位置は地下40mの大深度かそれに近い深さになるはずなので、地上へのアクセスはバリアフリールートとしての前述のエレベーターと健常者向けのエスカレーターが必須。ホームへのアクセスはあまり良くない。
・この想定の場合、朝潮運河人道橋と干渉しそう。ただ車が通るわけではないので、通行止めにして基礎の受け替え工事してしまえばよく、あまり問題にならないと思う。
参考