東京都が住宅市街地の開発整備方針に伴う都市計画変更を行うにあたり原案を公表した。中央区ではこれまで重点地区の整備対象として6地区が該当していたものが、原案では3箇所が削除、3箇所が更新となっていた。目立った変更(変化)は2点。地下鉄新線構想の明記と勝どき五、六丁目と豊海町、月島三丁目地区が「居住ゾーン」から「複合市街地」の位置付けとなったこと。まちづくりの観点からは後者の方がより重要だろう(2021/12/02)
更新は3地区
晴海勝どき地区
勝どき五、六丁目、豊海町地区
月島三丁目地区
共通変更項目(下線は追記部分)
地域区分(変更)
新 中枢広域拠点域 (旧センター・コア再生ゾーン)
新 国際ビジネス交流ゾーン(旧東京湾ウォーターフロント活性化ゾーン)
晴海勝どき地区
用途、密度に関する基本的方針そのほかの土地利用計画の概要
追記 歩行者プロムナード等の親水空間の整備や年防災機能の強化を図る
都市施設および地区施設の整備方針
変更 BRT(旧「新たな交通システム」)
道路、BRT等の広域交通網の整備や親水緑地の整備、まちの一体性の確保に配慮した歩行者ネットワークの形成等により、質の高い都市空間を確保し、利便性、
防災性及び快適性の向上を図る。
また、区部中心部と臨海部のアクセス機能等を強化するため、都心部・臨海地域地下鉄構想の具体化を図り、需要に応じた交通基盤の整備について検討を図る。
その他
都市高速道路 晴海線(決定済み)
勝どき五・六丁目・豊海地区(旧勝どき五・六丁目地区)
※都市型居住ゾーン→複合市街地に変更
用途、密度に関する基本的方針そのほかの土地利用計画の概要
新
倉庫の機能転換や老朽化した都営住宅、分譲マンション等の建替えを促進し、多様なライフスタイルに応じた住宅、生活利便施設、公益施設や文化・交流施設等の集積を図り、質の高い住環境と水辺が調和した魅力的な複合市街地を形成する。
旧
倉庫の機能転換や老朽化した都営住宅や分譲マンション等の建替えを促進し、水辺をいかした環境整備や教育施設をはじめとする公共・公益施設や生活利便施設の充実及び良好な住宅供給を図り、国際的なビジネス拠点を支える都市型居住ゾーンを目指す。
都市施設および地区施設の整備方針
新
幹線道路と水辺に囲まれた立地特性を踏まえ、土地の高度利用と住宅、商業、業務、公益施設等が高度に複合化された市街地を形成するとともに、水と緑のネットワーク
の形成に資する快適な歩行者空間の整備を図る。
旧
住宅と商業・業務施設の調和をとりながら、土地の高度利用と水辺等をいかした歩行者空間の整備を図る。
月島三丁目地区
※住宅地→複合市街地に変更
用途、密度に関する基本的方針そのほかの土地利用計画の概要
新
老朽木造建築物が密集する街区や隅田川に隣接する街区の機能更新を通じて、スーパー堤防の河川整備、歩行者ネットワーク・オープンスペース等の整備を図り、安
全で快適な生活環境と多様で魅力的な複合市街地を形成する。
旧
老朽木造建築物が密集する街区と隅田川に隣接する街区を一体的に計画することにより、水辺環境を生かした都心居住を促進し、土地の有効利用を図り、安全・安心・
にぎわいのある都市空間の創出を図る。
都市施設および地区施設の整備方針
新
住宅、西仲通り商店街と連続する店舗、公益施設等とあわせて広場や安全で快適な歩行者空間を整備することで、高度に複合化された市街地の形成を図る。
旧
隅田川高規格堤防による水辺空間の再生と、防災拠点として高度な設備と機能を有する施設を整備し、オープンスペースを創出するとともに、住宅を主要施設として整備を図る。
削除された地区 3地区
感想・まとめ
ハード面でのまちづくりを考えたときに、マンションの更新は大きなハードルとなる。
住居以外の機能をいかに取り込むかが結構重要で、これまで住宅地となっていたのが複合市街地になったというのは、街の発展からも望ましい。
現状、マンション街となっている勝どきが複合市街地になっていくことができるのかはともかく、方向性がしめされたことは喜ばしい変化だと思っている。
参考