内閣府が進める戦略的イノベーション創造プログラムの一環として、路線バスなど公共車両が、信号交差点で優先的に通行できるように信号制御を行うPTPS(公共車両優先システム)の進化版、「高度化PTPS」の実証実験が東京都臨海地域で行われ、その結果の一部が公表された(2019/03/04)。
(内閣府)
全体像は見えないが、PTPS無しの場合に比べ、走行時間1割減少という結果になった。
概要
従来型PTPS
信号の青時間、赤時間をバスの到着のタイミングに合わせて調整し、速達性を高める
交差点の手前に設置された光ビーコンをバスの接近検知に利用
高度化PTPS
(内閣府)
信号交差点の前に箇所に検知場所を2カ所用意。
1カ所目で青信号の延長(赤信号の短縮)
2カ所目でさらなる延長・短縮
バス通過後に信号のサイクルをもとに戻す
・複数のバスが同時に交差点に接近した場合に、どのバスを優先するかの調停機能などを搭載。
例)極端に遅延したバスや、乗客数が多いバスを優先する。
(内閣府)
効果検証
(内閣府)
・スタート地点は中央区晴海。晴海大橋南詰〜豊洲市場口を経由して東京ビッグサイトで折り返し。
・図を見ると高度化PTPS導入交差点は三カ所
①豊洲市場口
②有明コロシアム前
③有明駅前
結果 (PTPSによる時間短縮効果)
(内閣府)
往路 10%減少
復路 9%減少
※走行時間帯などは不明。
感想・まとめ
東京BRTへの導入はアナウンスされていたが、都営バスにも当然適用されるだろう。いままでPTPSについて「高度化」と言われても何が高度化するのかはっきりしなかったが、初めて明確なイメージが一般にわかるように示された感じ。
思ったより、ずっと進んだ制御が行われるようだ。
ただ、朝夕のラッシュ時に団子運転が生じている現状で、どの程度の効果が出るのか。一台だけ走らせてもわからないかもしれない。
そこはやや心配な点。