2020年10月1日に運行を開始した東京BRT。運行から3ヶ月の運行を振り返り、課題と将来への期待を示したい。年内のエントリは終了する(2020/12/28)。
(東京BRT)
区間別所要時間の推移
※Y軸80%とグラフの交点がX軸8分とすると、
80%が8分以内に当該区間を走行したということになる。
上り:晴海BRTターミナル→勝どきBRT
(中の人作成)
上り:勝どきBRT→新橋
(中の人作成)
下り:新橋→勝どきBRT
(中の人作成)
下り:勝どきBRT→晴海BRTターミナル
(中の人作成)
参考:信号停止率が高い交差点
上り:晴海→勝どき
晴海3 89%/75%/100%
東京BUC 58%/67%/57%
上り;勝どき→新橋
汐先橋 89%/75%/57%
旧青果門前 79%/58%/50%未満
汐留 74%/92%/57%
下り:新橋→勝どき
旧青果門前 74%/59%/50%未満
東新橋1 53%/59%/50%未満
下り:勝どき→晴海
新島橋 89%/76%/71%
勝どき駅前 89%/82%/50%未満
勝どき陸橋 74%/82%/86%
初見橋 58%/76%/86%
感想・まとめ
期待:定時性、速達性について
臨海部住宅地と都心方面を結ぶ以上、定時性と速達性が特に求められるのは「上り」だろう。一定水準は確保できていると思う。停止信号による影響がかなり出ているプレ1次でこの状況なので、プレ運行2次以降は運行ルート変更による交差点右左折の減少、通過交差点そのものの減少もあって、さらなる定時性と速達性の向上が期待できるだろう。
プレ運行1次と2次以降では何が変わるのか。
・晴海→勝どき間の右左折が3カ所から1カ所に減少する。
・通過交差点の数も晴海〜勝どきが10カ所から6カ所に減少する。
・参考 本格運行時には勝どき〜新橋は4カ所から2カ所に減少する。
上りの晴海BRTターミナル〜勝どきBRTはプレ2次の段階で、勝どきBRT〜新橋は、本格運行の段階で、それぞれ平均1分程度の時間短縮は望めると考えている。
期待:豊洲アクセス向上
中央区月島地区(佃/月島/勝どき・豊海町/晴海)の住民にとって、最寄りの大規模ショッピングモールはららぽーと豊洲とその周辺に集中する。
勝どき〜豊洲/晴海選手村〜豊洲(仮)
プレ運行2次以降、勝どきBRT周辺から豊洲方面へのアクセスが一気に向上するのは大きなメリット。本格運行後は晴海選手村からも豊洲方面のダイレクトアクセスを考えてもいいのではないかな。BRTが担う役割ではないかもしれないが。
課題:乗客の増加策について
これは各停留施設から徒歩3分圏と5分圏をプロットしたもの。
(中の人作成)
プレ運行1次では臨海部の停留施設2カ所はいずれも住宅地。都心側は新橋、虎ノ門という構成で、現状では住宅地から都心部を結ぶ交通機関になっている。恩恵を受けられるエリアも意外に狭い。これはどうしようもない。
参考:東15系統
徒歩3分圏をプロットするとこんな感じ。停留所が細かく設置されているので時間はかかる代わりに恩恵を受けるエリアも広い。
(中の人作成)
サービスエリアを拡大する方法としては停留施設の増設が考えられるが、「確実に停止する赤信号」の増設のようなものなので、東京BRTの特長である定時性・速達性をスポイルする可能性が高い。
プレ2次までは、テスト期間としてファンを増やす地道な活動を続けるのがいいんだろう。
・・・
オフィスエリアを結ぶルートの間に住宅地が挟まる形だと、終日ある程度の需要が見込める。プレ運行2次以降は、有明と豊洲、豊洲市場、さらに東京テレポートが加わるので、相当の乗客増加は見込めると思う。それに伴う運行費用の増加もあるだろうけど。
地方からの観光客は基本的に東京駅を経由するので、最終的には東京駅・銀座延伸は必須になるだろう。実現すると文字通り都心と臨海部を直接結ぶ公共交通機関になるだろう。
参考:他の交通モードとの連携
これが今後、こうなる(一部希望も書いてある)。
ラッシュ時間以外に普段使いできる人にとっては、プレ1次でも文句なしというのが感想。ただ築地区間の地下トンネルが本格開通していれば、という思いは強い。
・・・
ごあいさつ
来年は東京BRTにとって、いい1年になりますように。
そして、どらったら!をご覧のみなさまにとっても、素晴らしい1年になりますように。良い年の瀬をお過ごしください!
参考
特になし。