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東京都中央区、江東区の臨海部を中心としたメモ。独自の情報を除いては、報道ベースではなく、発表主体の情報をベースに書くことを基本にしています。最近はゲリラ的な花火大会情報も提供。

#2353 晴海ライナーが現金使用不可(完全キャッシュレス)の実証路線に 2025年9月16日から

バス事業者の経営改善効果や、深刻なバス運転手不足の対策として実施される、完全キャッシュレスバス(現金決済ができないバス)の2025年度の実証運行路線が発表された。できるだけ早期の全国での実装を目指すという。2024年度の東京BRTに続いて、2025年度はみんな大好き「晴海ライナー」が選定された。運行開始予定は2025年9月16日(2025/08/08)。

国土交通省

晴海ライナーが完全キャッシュレスバス実証路線に選定

国土交通省

・事業者の申請に基づき26事業者、42路線

・2024年度の18事業者、29路線から大きく拡大。

・早い路線では8月26日から実証運行開始(南海バスの関西空港泉佐野線)

晴海ライナー=キャッシュレス決済比率が高い路線として選定

・2024年度の東京BRTも同じ系統の路線として選ばれていた。

 運行開始予定日 2025年9月16日

2025年度の選定事業者

宮城県 宮城交通/ミヤコーバス

栃木県 東武バス日光

埼玉県 東武バスウエスト

千葉県 京成バス

東京都 日立自動車交通(晴海ライナー)/東武バスセントラル/京王バス/フジエクスプレス/ジェイアールバス関東/国際興業/関東バス

神奈川県 神奈川中央交通/相鉄バス/川崎鶴見臨港バス

山梨県 富士急バス

新潟県 新潟交通

石川県 北陸鉄道

愛知県 遠州鉄道/三重交通/名鉄バス

大阪府 南海バス

兵庫県 神姫バス

愛媛県 伊予鉄バス/伊予鉄南予バス

福岡県 西日本鉄道

令和7年度完全キャッシュレスバス実証運行の選定結果(国土交通省)

参考 2024年度の実証運行についての報告書概要

国土交通省が2024年度の実証運行について報告書をまとめている。

キャッシュレス決済の現状

政府方針:2025年 40%程度、将来的に80%

実態  :2023年 39・3%

バス業界のキャッシュレス

2022年度(主要バス) 一般路線での導入92・3%

 決済比率 キャッシュレス88・4%、現金 約10%

完全キャッシュレスのバス導入のメリット

国土交通省

・30台以上保有のバス事業者における効果は2023年度で1万人不足する運転者の平均給与約1900人分に匹敵と試算される

・事業者にはコスト削減、運転手の負担軽減、利用者には利便性向上、自治体には政策の充実などの効果。

実証運行について

国土交通省

選定事業者と路線 18事業者29路線

実施期間 2024年11月1日〜2025年2月末

総利用者 約210万人(推計)

現金利用率の変化

 実証運行開始前 10%

 開始直後     3ポイント低下

 終了時      6ポイント低下

運転者の負荷が減少したと回答した割合

 実証運行1カ月目 18%

 実証運行3ヶ月目 31%

※スマホの電池切れへの不安からバス車内の充電設備の整備等の対策を検討をしている例も

実証運行の結果概要

・参加事業者の半数以上が実証運行の継続、新規路線での実証運行の開始を検討

・実証運行路線の現金利用率が実証運行前から5%低下

・完全キャッシュレスバス導入では路線種別や利用者層を考慮して検討すべき

運転者の負担軽減例と増加例

(減少例)

↓目視による現金投入確認、両替作業による遅延が減少

↓乗客側の慣れにより、スムーズに利用できる利用者が増加

↓利用者との乗降時のやり取りが減少

(増加例)

↑キャッシュレス決済の案内、現金決済時の次回キャッシュレス決済の案内が増加

↑交通系ICカードへのチャージ対応件数が増加

実証運行の継続・新規路線の検討状況

・18事業者中、9事業者(50%)で実証運行路線での継続、本格運行に移行を検討

・18事業者中、7事業者(39%)で新規路線を検討

導入障壁と具体的に行われた対策

国土交通省

結論と今後の進め方

・バス業界では完全キャッシュレスバスの取り組みを拡大する機運は醸成されている

・現金利用率の低下などを見ると、利用者からも一定の理解が得られている

・導入にあたっては路線種別と利用者層の考慮し、対応策を検討することが必要

・広報を通して乗車前に知る機会を増やすことで、利用客の理解度、受容度が向上する傾向

2025年度以降も実証運行を継続し、できるだけ早期に全国での完全キャッシュレスバスの実装を実現する

参考 東京BRTによる実証運行の詳細(2024年度)

国土交通省

対象路線

 虎ノ門ヒルズ〜新橋〜国際展示場〜東京テレポート

 虎ノ門ヒルズ〜新橋〜晴海BRTターミナル〜ミチノテラス豊洲

 新橋〜HARUMI FLAG

実証運行期間

 2024年12月16日〜2025年2月15日

キャッシュレス割合 98%(2024年7月時点)

そのほか (事業規模)

車両台数 17両(平日)

運行便数 387便(平日)

※実証運行前にキャッシュレス比率98%だった。

感想・まとめ

去年の東京BRTに続いて、晴海ライナーも選定された。

晴海ライナーの場合、2019年9月にお釣りの出ない運賃箱の導入が始まっていて、完全キャッシュレス導入への下地作りは進んでいた。これを機に完全キャッシュレスに移行してもいいのではないかな。

個人的にも、ここ数年バス運賃を現金では払っていない。

・・・

実証運行にかかわらず、現場で完全キャッシュレスバスの運行は可能だということなので、導入は一気に進むかもしれない。

完全キャッシュレスになると、車内でチャージというのもできなくなるのだろう。 運賃箱も現金を取り扱わなくなれば相当な簡素化ができそうだし、晴海ライナーさん、東京BRTさん、この際、応募してみてはどうでしょう?

#2038 2024年11月以降、「完全キャッシュレスバス」運行開始へ 公募で選定、10路線程度 東京BRTさん、ぜひ! - どらったら!!

参考リンク等

令和6年度完全キャッシュレスバス実証運行報告書(国土交通省、2025年4月)