不動産シンクタンクの東京カンテイが2022年7月28日付で、興味深いプレスリリースを発表した。2020年竣工の新築マンションと2021年の中古マンション価格の変動を考察したもので、物件価格の上昇が続く中、平均的な上昇ペースを自治体別の上昇ペースが上回ったか、下回ったかを地図化したもの。110%以上となったのは千葉県習志野市と印西市だった。23区では9区が100%〜110%で、10区が90%〜100%だった(2022/08/15)。
概要
2020年の新築マンション坪単価と2021年中古マンションの坪単価を比較。「実際の価格変動率」/「首都圏の平均価格変動率」で相対価格変動率を算出(111・1%)。これに対して特定の行政区の価格変動率が上回ったか、下回ったかをみたもの。
首都圏の平均価格変動率に対する、23区の価格変動率
100%以上110%未満
港、中央、文京、渋谷、豊島、杉並、目黒、品川、江東
90%以上100%未満
千代田、新宿、板橋、足立、荒川、台東、墨田、江戸川、太田 中野
90%未満 世田谷
表記なし 練馬 北 葛飾
※参考
参考 相対価格変動率
各圏域(本エントリでは首都圏)の平均価格変動率を「価格変動率」とし、各行政区で平均上昇率を上回る価格上昇が起きているかどうかをみる指標。
相対価格変動率=価格変動率(中古流通坪単価/新築坪単価)/圏域ごとの平均価格変動率
感想・まとめ
資料がややわかりにくく、誤った解釈があるかもしれない。
全体として価格上昇傾向にあるなかで、平均ペースよりも上昇が激しいか、穏やかかをみたもの、という解釈でいいだろう。
緑の行政区はややマシ、オレンジの行政区はキツい、ということになるのだろうか。
中央区、江東区とも平均上昇ペースから10%以内のプラスとなった。千代田区がマイナスというのはやや意外。
新築より1年後の中古の方が高いってことだけでも、買いにくくなっている感じなのに、中央区や江東区などでは輪をかけて買いにくくなっているということになる。
・・・
ただ、平均ペースを大きく上回る価格上昇となった原因は、大型プロジェクトや再開発物件などが絡んだものが多いそうだ。また、1年という超短期売却は売却益が発生しないマンションでは行なわれないという記述もあった。
なるほど。
参考
価格上昇期の「値上がりマンション」に関する考察(東京カンテイ)