地方自治体がマンション管理を評価する「マンション管理計画認定制度」が2022年4月にスタートする。認定基準案が公表されているので内容を見ておく(2021/10/04)。
管理計画認定制度の概要
こちらは制度全体を俯瞰した図。
マンション管理適正化推進計画を定めた地方自治体が一定の基準を満たすマンションの管理計画を認定する制度。2022年4月1日に施行される。認定を受けたいマンション側が申請し、地方自治体側が認定する仕組み。
認定取得マンションのメリット
適正に管理されたマンションとして市場に評価される
区分所有者全体の管理への意識が高く保たれ、管理水準を維持向上しやすくなる
認定基準案の項目
・きちんとした長期修繕計画があるかどうか、資金の手当は計画されているか、管理組合がまともか、の3点を評価する仕組みになっている。
感想・まとめ
メモ。
基本的な評価項目を並べたもので、こういう仕組みは管理不全マンションを減らすという「底上げ」が主目的だろう。上位の「基本方針」の中で管理不全マンションに対する措置項目はあったが、優良マンションに対する税制優遇などインセンティブの記載はないようだ。
評価項目を見ると将来にわたって維持可能な最低ラインと考えるべきなんだろうね。
マンション側のインセンティブが明確ではなく、あえて認定申請するところがどの程度あるのかなというのが頭に浮かんだ疑問。認定を受けてないマンションはマンションにあらず、となるぐらいの広がりがないと辛いか?
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一方で、住宅の除却に関する検討会も開かれていたりする。
これは要除却認定を受けると、除却の際に優遇措置(建替時の容積率緩和、敷地売却が区分所有者の4/5の賛成で可能)を受けられるという仕組みで、認定を受けられる対象範囲を拡大するようだ。でも、これで除却が広がるかははなはだ疑問。オフィスビルと違ってマンションは建て替えによる更新がほぼ不可能で実際に建て替えほぼ行われていない。
マンションって使い潰すしかないんだろうね。どう計画的に寿命まで使い潰すかがマンション管理なのかな。50年もすれば、世の中は廃墟マンションだらけになりそうで、そうなった時には別枠でもっと強い更新策(財産権侵害クラス)が制度化されたりして。
参考
マンション管理計画認定制度における認定基準(案)=2021年3月、国土交通省