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東京都中央区、江東区の臨海部を中心としたメモ。独自の情報を除いては、報道ベースではなく、発表主体の情報をベースに書くことを基本にしています。最近はゲリラ的な花火大会情報も提供。

#1709 タワマン管理ガイドライン整備を検討 マンション政策全般に関する方向性取りまとめ案

国土交通省がマンション政策大綱に位置付ける「今後のマンション政策のあり方に関する検討会 とりまとめ(案)」を公表したので内容を確認しておく。タワマン特有の問題があって、対処のための「タワマン管理ガイドライン」の整備が検討されるという(2023/07/30)。

国土交通省

構成

1 はじめに

2 マンションを取り巻く現状

3 マンションをめぐる課題と今後の施策の方向性

4 おわりに

1 はじめに

・マンション総ストック数 700万戸に達しようとしている

・2つの老い 建物と居住者の双方の高齢化

・価値観の異なる区分所有者間における意思決定困難

2020年 マンション管理適正化法

・管理計画認定制度/要除却認定対象の拡充/敷地分割事業の創設

2020年 マンション建て替え円滑化法

2023年 マンション超寿命化促進税制創設

2 マンションを取り巻く現状

・ストック数 686万戸(2021年末)、1500万人が居住

・永住意識の高まり 「永住するつもり」62・8%(直近)

・築40年以上の高経年マンション 116万戸(2021年末)

 249万戸(2031年末)、425万戸(2041年末)

・管理組合役員不足からマンション管理業者を管理者に選任する例が増えている

・マンションの大規模化 超高層マンションではマンション管理にかかる区分所有者の合意形成に困難さが存在(大規模マンション特有の課題)との指摘

・管理に関する情報が購入予定者に十分届く環境になっていない

・近年のマンション建て替えでは新たに利用可能な容積率減少の傾向。販売可能住戸の減少から建て替え実施にあたって必要になる区分所有者の負担が増加傾向

3 マンションをめぐる課題と方向性(抜粋)

取り扱う項目が多岐にわたるため、抜粋しておく。

国土交通省

課題 修繕積立金の安定的確保

・適切な長期修繕計画作成だけでなく、修繕履歴等を踏まえ、適切に見直し、修繕積立金を安定的に確保することが必要

・修繕工事費用は近年上昇傾向。区分所有者の高齢化→必要額の確保が困難になる懸念

・ほとんどは「段階増額積立方式」で、長期修繕計画では計画当初から計画採集年の増額幅は平均3・6倍。中には10倍超のものもある。

・均等積立方式が望ましい。

▼方向性

 適切な修繕積立金の引き上げ幅等を検討/均等積立以降への支援を継続

課題 将来の解体を見据えた対応

・いずれ区分所有者の手による除却が必要になる

・多くの管理組合において、マンションの将来の解体までを見据えた議論が行われていない

▼方向性 他の制度を参考にしつつ、積立方式や保険制度を含む解体費用の確保手段のあり方について検討

課題 マンション管理の適正化

▼方向性

・所在不明者の探索に管理組合が費用を支出した場合に、費用を原因者に請求できる規約のあり方を検討

・管理組合が空き住戸を取得するため管理組合法人化する場合、支障となる課題を整理し、管理事務の適正遂行の観点から、法人化への取り組み、空き住戸活用の取り組みの支援のあり方を堅牢する

・区分所有者がマンションの修繕積立金の状況などの情報を把握しやすい環境整備を検討

課題 定期借地権マンションの今日的評価

・将来の管理不全リスクが低い優位性が社会的に評価されていない可能性

・契約期間終了が近づくと適正な管理の維持が困難となる可能性

・契約期間終了後の具体的対応で実務上の知見が蓄積されていない

▼方向性

・消費者の評価、供給にあたっての課題の把握を実施

・契約期間中の留意点、管理組合の管理のあり方、契約期間終了後の具体的な対応について、実務上ひるようとされるノウハウの整理を実施し、必要な施策の検討を実施

課題 大規模マンション特有の課題への対応

・タワマンでは入居者の属性の差に由来して合意形成の困難さがあるとの指摘も

・合意形成の円滑性の観点からマンションのコミュニティ形成が重要

・管理組合が取り扱う金額が多額になるが、会計監査の体制が取り扱う金額の規模に見合っていないという指摘がある

・専門家に監査業務を委託するケースは限定的

・タワマン特有の設備のメンテに高額な費用を要するケース。国交省の長期修繕計画ガイドラインにこうした設備の項目についての位置付けがない

▼方向性

タワマンの実態に関し、詳細調査を実施。結果を踏まえタワマンの管理等にかかるガイドラインの整備検討

・監査のあり方について専門家の活用を念頭に検討

・タワマン特有の修繕項目、工事費用の実態の把握をする目、必要に応じて長期修繕計画の作成に関するガイドラインに反映させる

課題 マンションの管理状況が価格に反映される環境づくり

▼方向性

・マンションの購入希望者が長期修繕計画の内容など、マンション管理状態や資産価値に大きな影響を及ぼす情報にアクセスしやすい環境整備へ、マンション管理関係の情報提供のあり方を市場関係者の意見を聞いて検討

4 おわりに

・取りまとめ案については広く意見募集を行う

感想・まとめ

マンションを取り巻く課題を網羅的に取りまとめたもの。

興味がある方は一度目を通しておくといいだろうね。

率直に言って、スピード感に欠けるという印象。

政策導入、不具合がある部分を修正というプロセスを早めに回していかないと、どうにもならないんじゃないかな。

参考リンク等

マンション政策全般に関する方向性取りまとめ案