江東区豊洲の「新豊洲Brilliaランニングスタジアム」が2019年の日本建築学会賞を受賞した。近年類稀なる「必然の美」として絶賛されている(2019/04/22)。
(日本建築学会賞)
概要
新豊洲Brilliaランニングスタジアムが受賞したのは「2019年日本建築学会賞」(作品)。近年のもので、主に国内で竣工した建物の設計に関し、技術、芸術の進歩に寄与する優れた作品に贈られるもの。
2作品が選ばれている。
①新豊洲Brilliaランニングスタジアム
②桐朋学園大学調布キャンパス1号間
ここでは、新豊洲Brilliaランニングスタジアムについてみておく。
選考過程
応募総数 51点
2度の討議を経て8作品に絞り込み、現地審査対象に。
8作品は以下の通り
①竹田市立図書館
②荘銀タクト鶴岡(鶴岡市文化会館)
③沖縄科学技術大学院大学
④太田市美術館・図書館
⑤ロームシアター京都
⑥新豊洲Brillia ランニング スタジアム
⑦釜石市立唐丹小学校・釜石市立唐丹中学校・釜石市児童館
⑧桐朋学園大学調布キャンパス1号館
3作品推薦で1回目の記名投票→新豊洲Brillia ランニング スタジアムの得票多数。
2回目の無記名投票→桐朋学園大学調布キャンパス1号館
評価のポイント
・新豊洲エリアのまちづくりの一環として民間主導で実現した、パラリンピアンをめざす障害者トップアスリートのためのトレーニング施設
・障害のあるなしを超えて特徴を生かし合う身体表現の活動・研究の場
・トンネル形状の建物は、透明、軽量、高耐久のETFEフィルム素材を用いた屋根と湾曲集成材を菱形にユニット化した構造体で構成
・透明感のある明るく開放的な屋内空間
・解体を前提として考え抜かれたジョイントのディテールは美しく完成度が高い
・この建築を契機にETFEが一般化に向け告示化された点、建築設計者、構造設計者、膜加工メーカー、施工者等が高い次元で融合し、結晶した建物の新規性と完成度が高く評価された。
選定理由
・埋立地にこの超軽量の建築はとてもふさわしい
・運河の水面の波紋、蜃気楼、自然現象の一つの表出のような佇まい
・知的で無駄のないハイブリッド架構
・この屋根の下にいると、体が軽やかに。走る行為が自然に誘発される。
・将来移転の可能性があり、解体→搬送→設置を可能とするシステム。
・プログラムと出来上がったハードにつじつまの合わない部分は皆無
・新技術、手法、新しい建築家の役割が濃密の積層。
様々な立場の人々と信頼試合、同じリスク、ビジョンを共有して一つの建築を作り上げていこうとする人の無垢な喜びに満ちている。
感想・まとめ
優れた建築物として評価されたことは素直に嬉しい。
おめでとう!
参考