首都圏を流れる利根川と荒川について、2021年3月に渇水時の対応タイムラインが定められた。もともとは東京2020大会期間中の渇水リスク回避のためのもの。東京都分について確認しておく。2023年8月18日現在、利根川水系の貯水率が平年を大きく下回る66%にとどまっていて、今後の推移によっては給水制限などがあるかもしれない(2023/08/19)。
渇水時の対応タイムラインとは
渇水時の被害を最小限にとどめるため、河川管理者などが講じる対策、都県がとるべき行動をまとめたもの。2021年3月に利根川水系と荒川水系について策定されている。
水自然の確保対策
利根川水系・荒川水系共通
・ダムの弾力的管理
平常時は空容量となっている洪水調整容量の一部に洪水調節に支障をきたさない範囲で水を溜め、異常渇水時等の流水の正常な機能維持のために利用できるようにする。
利根川水系の場合
・北千葉導水路等の運用
霞ヶ浦や利根川下流部に集まった水を江戸川に供給し、ダムの貯留量減少を抑制する
・武蔵水路等の新たな運用
利根川上流ダムの貯水量が減少した場合、荒川の余剰水を武蔵野水路向けに通す水の一部に振替で利根川ダムの貯留量減少を抑える
荒川水系の場合
・荒川水利用高度化施設の運用
下水処理水を浄化した水を荒川の維持流量の一部に振り返る
渇水時にダム補給量を抑制し、ダム貯水量の減少を抑制する
フェーズは5段階 東京都のタイムラインは?
フェーズ1 平常時=東京2020大会期間中の水準
利根川水系 70%程度以上
荒川水系 7000万㎥以上
・ダム貯水量等の注視、情報収集、共有
フェーズ2 渇水注意期
利根川水系 50%〜70%程度
荒川水系 4800万㎥〜7000万㎥
・ダム貯水量等の注視、情報収集、共有
フェーズ3 渇水初期
利根川水系 30〜50%程度
荒川水系 2600万㎥〜4800万㎥
・渇水対策本部開設
・節水に関する広報/節水の協力要請
・水道用水の減圧給水の準備・実施
フェーズ4 深刻な渇水期
利根川水系 30〜50%程度
荒川水系 2600万㎥〜4800万㎥
・渇水対策本部開設
・節水に関する広報/節水の協力要請
・水道用水の減圧給水の準備・実施
・噴水等の自粛要請
フェーズ5 異常渇水期
利根川水系 0〜30%程度
荒川水系 0万㎥〜2600万㎥
・渇水対策本部開設
・節水に関する広報/節水の協力要請
・水道用水の減圧給水の準備・実施
・噴水等の中止要請
ダム貯留量・8月18日現在
貯水量 24174万㎥ 貯水率66%(平年の87%)
※首都圏最大の八木沢ダム 貯水率36%(平年49%)
利根川水系・鬼怒川流域
貯水量 10774万㎥ 貯水率76%(平年の92%)
貯水量 6179万㎥ 貯水率90%(平年の98%)
貯水量 15796万㎥ 貯水率85%(平年の101%)
貯水量 20640万㎥ 貯水率93%(平年の106%)
感想・まとめ
今年の夏は暑すぎた。そろそろ節水が必要か。