新橋駅西口の再開発について触れたことがなかったので、少し調べてみた。一応、関連事業者の事業計画では2028年3月期の着工が示されている。すると竣工は2030年以降だろう(2021/11/03)
検討区域
・新橋駅西口のSL広場、ニュー新橋ビルを含む約2・8ヘクタール。
・主要用途 オフィス、商業施設
・事業協力者 野村不動産、NTT都市開発
街区構成
SL街区 烏森通り〜外堀通りの間
桜田街区 その他の部分
・両街区に複数の高層ビルを作る計画、高さは120−130m。
スケジュール
・この図に当てはめると第1段階に止まっているようだ。解体が始まるには少し時間がかかるのかもしれない。
・2014年 9月 新橋駅西口地区まちづくり協議会設立
・2016年 3月 新橋駅西口地区市街地再開発準備組合設立(第一段階)
権利者総数の2/3、ニュー新橋ビルでは区分所有者の4/5以上が加入
・2018年 都市計画決定(16年時点から2年後)
・2019年 7月 まちづくりガイドライン改定
・2021年 権利返還計画認可(16年時点から5年後)
・2026年 竣工(16年時点から10年後)
・2028年 3月期(フェーズ3後期) 着工(野村不動産・中期経営計画)
課題
・柳通りの一部が戦後70年に渡り都市計画道路指定による建築制限を受けている
・歩行者、自転車が服装する駅前広場、防災性、耐震性、不燃化に不安のある建物が多い
→周辺土地利用と調和した業務・商業施設を整備する。帰宅困難者対策など防災機能整備、メトロ銀座線とのアクセス向上に取り組む
参考:新橋・虎ノ門地区まちづくりガイドライン(2019年7月改定)
まちの構造
・新橋と虎ノ門の2つの拠点と、これらを結ぶ結節軸の新虎通りで街の骨格を形成。
・2つの拠点の間に南北軸を設置、人の活動と回遊、賑わいを創出
・周辺の緑地を結ぶネットワークを形成
拠点駅の機能強化に向けた重層的歩行者ネットワーク形成
・ゆりかもめと都営浅草線新橋駅に22mの高低差。愛宕山を中心に地形の起伏も大きい
・高低差が大きい地域では駅構造強化と合わせ、バリアフリーに配慮した重層的歩行者ネットワークで、安全快適な歩行者空間を作る。
・多様な交通手段の乗り継ぎ、乗り換えができる空間整備による回遊性向上を目指す
新橋駅周辺エリアのまちづくり方向性と重点方策
・防災対応力の強化と交通結節点としての玄関口形成
参考:ニュー新橋ビルのすぐには解決できない悩み(東洋経済)
・ニュー新橋ビル単体の建て替えでは容積率の割増は望めない
・一般に敷地が広い方が高いビルを建てやすい
・区分所有者の負担を減らすためにSL広場、南側一部街区を取り込んで事業エリアを2・8ヘクタールに拡大して市街地再開発準備組合を設立
・新橋駅東地区を加えて2017年度からまちづくりガイドライン改定に着手
ニュー新橋ビルのすぐには解決できない悩み | 街・住まい | 東洋経済オンライン
感想・まとめ
2019年のまちづくりガイドライン改定以降、港区の大きな動きはなさそうだ。計画全体としては基本計画がでてこないとイメージもしようがない。
・・・
2028年着工からスケジュールを逆算すると、退去、解体、着工の時間に余裕はない。事業着手段階に入るのが2023年ごろで、設計と埋蔵文化財調査を並行させて2025〜2026年に実施、着工は2028年、建設2〜3年として2030年ぐらいの竣工というイメージか。
相当遅れそうな気がするが、すぐに動きがあったりして。
・・・
交通ターミナル化は難しい。駅西口に車を引き込むとエリアの分断が起きそう。東京BRTの乗り入れも困難だろう。そこで、いっそ車の乗り入れをなるべく排除したまちづくりはどうだろう。
・・・
汐留側の東口とSL広場側の西口を同じような味付けのまちにはしないでほしいなあ。新しい「ふるいまち」を作れるといいのだけど。
防災力を高めつつ、どううまくまちづくりをしていくかは事業者の腕の見せ所。
参考:新橋口東口再開発イメージ(2022/05/18追加)
・ゆりかもめ新橋駅の入出場ルートは新橋駅東口再開発ビルの内部に取り込まれる形になるイメージ