産総研地質調査総合センターが2021年10月7日深夜の首都圏地震について、沖積層の基底を揺れ(震度)を重ね合わせたマップを公表した。低地では特に揺れやすかったという傾向がみてとれた(2021/10/13)。
産総研の説明
説明
関東地方の南部には更新世以降の堆積物が広く分布し、関東平野を形づくっている
今回の地震では、震度5強あるいは震度5弱の揺れを観測した地点が東京都北東部(足立区)から埼玉県南東部(埼玉県川口市、三郷市など)にかけてみられた
これらの地域は地下に軟弱な沖積層が分布する沖積低地(東京低地、中川低地、荒川低地)に位置している
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震度が大きかったのは沖積層が厚い埋没谷の軸部ではない。
沖積層がやや薄い(薄橙色から黄色のエリア;層厚10〜40 m程度)エリアだった。
同じような沖積層の層厚をもつ地域でも、埋没谷縁辺部より震央(千葉市)に近い東京都南東部の墨田区や江戸川区の低地では、震度4。
→東京都北東部から埼玉県南東部の地域で震度5強あるいは震度5弱の揺れを観測したのは、沖積層の分布だけでなく、より深い地質構造や震源特性を反映している可能性が考えられる
感想・まとめ
沖積層が厚いから揺れやすいという単純なものでもないらしい。沖積層がやや薄い(薄橙色から黄色のエリア;層厚10〜40 m程度)埋没谷縁辺部が揺れが大きかったというのは興味深い。どういうメカニズムなのか、解明が待たれる。