どらったら!!

東京都中央区、江東区の臨海部を中心としたメモ。独自の情報を除いては、報道ベースではなく、発表主体の情報をベースに書くことを基本にしています。

#1284 10年ぶりに首都直下地震の東京の被害想定を更新 中央区臨海部を中心に内容を見る

2012年に発表された「首都直下地震等による東京の被害想定」が2022年5月25日に更新された。前回想定から住宅の耐震化や不燃化が進展、都内の人口構成が変わったことなどを反映させた見直し。最も被害が大きくなることが想定される「都心南部直下地震」について被害想定の内容を確認しておく(2022/05/26)。

東京都防災会議

想定地震

・M7級首都直下地震(都心南部直下地震など)やM8〜9級海溝型地震南海トラフ巨大地震など)をベースに想定地震を複数設定。今回はもっとも大きな被害が見込まれる「都心南部直下地震」を中心に内容を確認しておく。

※2012年の前回想定では「東京湾北部地震(M7・3)」が代表的な想定地震となっていた。今回は「都心南部直下地震」となっている。

都心南部直下地震(M7・3)

震度分布 江東区震度7

都心南部直下地震の想定震度分布

中央区は海側が震度6強、内陸側が震度6弱

 月島駅付近に震度7のポイントがあるようだ。

江東区は全域が震度6強、江東低地の一部は震度7

参考:液状化

都心南部直下地震液状化危険度分布

都心南部直下地震の沈下量分布

・前回想定では沈下量の項目はなかった。晴海から月島にかけて沈下量7センチ以上のエリアがあることが気になる。豊洲埠頭でも5センチ程度の沈下量があらようだ。

津波 南海トラフ巨大地震の各区における最大津波高と場所

南海トラフ巨大地震の各区における最大津波高と場所

江東区の最大津波高は2・63mで「東電堀」となっている。

地盤が高いので問題はないだろう。

中央区勝どきの朝潮運河の水門の外側にも2・2〜2・5mの津波が想定されている。

要警戒。

 

各区の最大津波高(前回想定)

中央区  2・42m(2・51m)

江東区  2・63m(2・55m)

港区   2・37m(2・47m)

品川区  2・38m(2・61m)

大田区  2・25m(2・27m)

江戸川区 2・24m(2・11m)

埋立地  1・99m(2・06m)

最大津波到達時間 南海トラフ巨大地震

中央区 200分〜

江東区 195分〜

※従来と変わらない。

参考 長周期地震動の検証

・一般に海溝型地震で発生するが、内陸部の地震で発生したケースもあり、2021年3月千葉県北西部地震について再計算したところ、都心部周辺でも長周期地震動による被害の可能性があることがわかった。

想定される建物・人的被害 都心南部直下地震 冬・夕方 風速8m/s

震度別面積率 

震度7  中央区 0・7% 江東区13・7%

  6強 中央区59・7% 江東区84.4%

  6弱 中央区39・6% 江東区 1・9%

人的被害

 死者 中央区   84 江東区  401

 負傷 中央区 2702 江東区 8091

(重傷)中央区  275 江東区 1244

被害棟数

全壊 中央区 714 江東区 6600

半壊 中央区1366 江東区 7756

出火 中央区  11 江東区   42

焼失 中央区  18 江東区 3100

想定されるインフラ被害

電力停電率 

 中央区 22・2% 江東区 38・6%

通信不通率 

 中央区  1・0% 江東区 7・3%

上水道断水率

 中央区 45・5% 江東区 52・4%

下水道管渠 

 中央区  4・4% 江東区 6・6%

ガス供給停止

 中央区 30・0% 江東区 100%

配電設備被害による停電

都心南部直下地震、冬、夕方 風速8m/s

携帯電話不通ランク分布 江東区北半分や中央区のごく一部でランクA

携帯電話の不通ランク 都心南部直下地震 冬・夕方 風速8m/s

※携帯電話の不通ランク

A 停電率、不通回線率の少なくとも一方が50%以上

B 40%以上

C 30%以上

D 20%以上

E 20%未満

中央区北部や江東区の北半分では携帯電話の不通率が23区内でも特に高い地域となることが示されている。

上水道断水率 中央区江東区では断水率40%超となる

断水率 都心南部直下地震

上水道断水率(都心南部直下地震

1日後 26・4%

3日後 26・4%

1週間後 16・8%

1ヶ月後  0・0%

※復旧完了は都心版部直下地震では約17日後。

下水道 管渠被害は中央区が2〜5%、江東区は5〜10%

管渠被害率 都心南部直下地震

※復旧推移(都心南部直下地震

1日後  3・0%

3日後  2・7%

1週間後 2・0%

1ヶ月後 0・0%

ガス供給停止率 中央区は20〜30% 江東区は40%以上

低圧ガス供給停止率 都心南部直下地震

※復旧がおおむな完了するのは都心南部直下地震では約6週間後。被災状況によっては復旧期間が長期化する点に留意が必要

生活への影響 都心南部直下地震 冬・夕方 風速8m/s

避難者数

1日後 175.7万人

4日〜1週間後 299・3万人(避難所内 199・5万人)

1ヶ月後 164・9万人

帰宅困難者

・東京都市圏内から都内に流入する人のうち、帰宅困難者は昼12時に最大(約415・1万人)

食料、飲料、毛布の1週間の必要量 都心南部直下地震

・食料 避難所避難者数×1・2倍×1人1日3食 最大4668万食

・飲料水 断水人口×1人1日3リットル 最大6762万リットル

・毛布 避難所避難者数×1人2枚 399万枚

エレベーター閉じ込め 都心南部直下地震 冬・夕方 風速8m/s

・閉じ込めにつながるエレベーター停止台数 最大22426台

経済被害 都心南部直下地震 冬・夕方 風速8m/s

・21兆5640億円(資産等18・9兆円 ライフライン・インフラ等 2・6兆円)

感想・まとめ

前回想定の中心だった東京湾北部地震とは別の地震の想定なので単純比較はできないが、おおむね同傾向という印象だ。

電気の復旧は早いものの、復旧は電気が早くガスはとても遅い。上水道、下水道のダメージは避難生活(自宅内避難含む)の質に大きな影響を与える。

自助3日。

こういう機会に生き残る術を改めて確認しておくことにする。

参考

www.bousai.metro.tokyo.lg.jp