千葉市議会の川村議員が千葉市花見川区にロープウェイを通す、という政策提言を公表している。面白そうなので内容を見ておく。実現可能性がどうこうという段階ではなく、ブレインストーミングに近いかな(2021/03/01)。
追記:やっぱり困難みたい(2021/03/16)。
政策提言
川村議員が公表している政策提言は全19ページ。
・横浜エアキャビンの紹介
・ロープウェイとはどんなものか
・優位性
・国内での検討事例(福岡)
・ケーススタディ:ルート案2種
収支予測
・構想案 2種
・まとめ(政策提言)
の構成で、なかなかのボリュームになっている。
ケーススタディ 海浜幕張駅〜中間駅1〜市立海浜病院ルート
(中の人作成)=川村議員資料より
・JR海浜幕張駅と千葉市立海浜病院を結ぶルート。中間駅は1箇所。
・距離 1・5キロ
・整備費 50億円、8人乗りゴンドラ
・輸送力 2400人/時
※このルートで東京BRTの3倍ってオーバースペックでしょ・・・
・採算ライン
年間経費3・5億円(6〜25年目)
運賃200円とした場合 年間利用者 約180万人(!!)
1日1万3500人の利用者が必要
※まあ、そうなりますわな。
他の案について
海浜幕張駅〜市立海浜病院をロの字で循環させるルート
(中の人作成)=川村議員資料より
住宅団地上ルート(全長約13キロ)
(中の人作成)=川村議員資料より
市街化調整区域ルート(全長約12キロ)
(中の人作成)=川村議員資料より
追記:千葉市議会本会議(2021/03/01)
ロープウェイ構想でポイントとなる市立海浜病院へのアクセスに関して、公共交通機関としては複数の最寄駅からのバス路線が想定されていることが判明。マイカーアクセスにも便利な場所、ということで、具体的にロープウェイに踏み込んだ話は出ていないようだった。やはり難しいそう。
感想・まとめ
確かにロープウェイは、鉄軌道に比べると圧倒的に安上がり。でも、一度作るとルートが固定される。需要に応じた路線変更はできないので、需要が高い水準が安定して見込めないと成り立たないだろう。
構想以前の段階とはいえ、構想案のように鉄道上空を通したり、高速道路上空を通したりするのは簡単ではないんじゃないかなあ。
あと、ロープウェイ話でいつも思うのは「バリアフリー」対応をどうするのかが欠落していること。対応すると駅職員は増えるし、駅施設も大掛かりにならざるを得ない。
「交通弱者なんか知らん! 無視無視!」というようなものが許されるとは思えない。
FCバスのSORAだったら、今なら行政の補助があって相当安く導入できるし、需要に応じた増減便も容易。なんなら他の路線にも回せる。
トヨタと組んで幕張ベイタウンを周回する自動運転車(e-Palette)でも走らせたほうが、インパクトがあると思うけどなあ。
・・・
千葉都市モノレールの延伸は、B/C(費用便益費)=0・87で即時却下されている。
千葉市長は費用便益比0・87で中止決断。
— どらったら! (@Chuoinfom) September 4, 2019
臨海地域地下鉄構想は単独整備だと0・7。
前に進めるのは簡単ではない。
私の役割果たした モノレール延伸中止で千葉市長:日本経済新聞 https://t.co/ZVDm0M82qJ
そう考えると、ちょっと実現可能性は低いのではないかな。
・・・
それでも、ここまで資料を準備した川村議員に拍手。夢のある話なので進展を見守りたい。