都心部・臨海地域地下鉄新線と関係するつくばエクスプレス(以下TX)で、茨城県内延伸に関する提言書がまとまった。4つの候補ルートの実現可能性はいずれも低く、費用便益比B/C=0・0という今までに見たことのない数字も出てきた。都心・臨海地下鉄新線とのパッケージ化にかけるようだ(2023/04/03)。
第三者委員会提言書
事業の社会的意義があるかどうかを示す重要指標に費用便益比がある。
千葉都市モノレール延伸で、当時の熊谷市長が即時計画取り止めを打ち出していた数字が確か0・87。
私の役割果たした モノレール延伸中止で千葉市長 - 日本経済新聞
そんな中、提言書で示された費用便益比B/Cは驚愕の数字。
土浦ルート 0・6
茨城空港ルート 0・0〜0・1
水戸ルート 0・0〜0・1
筑波山ルート 0・2
うーん・・・
参考:提言書の内容
茨城県内延伸検討の背景
県内で人口減少進む中、TX沿線では開業後26%増加。
TX沿線の活力を県内全域に波及させることが持続可能な発展に不可欠
→TXの県内延伸を検討。4つの方面案を検討した。
TX県内延伸の意義
東京圏からの新たな人の流れ
つくば、水戸の二台都市圏の交流拡大
自動車からの転換い向けた公共交通サービスレベル向上
TX延伸を起爆剤とした茨城のさらなる飛躍
実現に向けた課題
・4つの方面案は土浦方面の実現可能性が高いものの、B/Cは1・0を下回り、収支採算性も赤字。従前通りの沿線開発だけでなくさらなる需要増加、費用削減の方策を検討する必要がある。
・茨城県では、費用負担・事業スキームの決定へ向けた検討が必要になる
・国の交通政策審議会の答申に位置付けられているTX東京延伸、都心部・臨海地域地下鉄構想の動向に注目しながら進めていくことが必要
・TX県内延伸と既存路線やTX東京延伸と一体的に扱うパッケージとしての事業評価、費用対効果分析の実施を検討する必要がある
感想・まとめ
実現可能性がなさすぎて驚いた。
なお、提言書を読み込んではいない。費用便益比を見ただけ。
・・・
(追記)
「一体的パッケージ」が条件になると、都心部・臨海地下鉄新線構想は実現不可能になるんちゃうかな。交通政策審議会答申に示された秋葉原〜東京〜有明の事業化確定後に改めて検討して欲しいわ。
・・・
苦しいのは「国際競争力強化に資するネットワーク」とは言い難いことだろうか。人口減少時代に事業採算性が多少厳しくても事業着手させるにはかなり強い「言い訳」が必要。現状ではその部分が足りないと思う。