首都高速日本橋区間地下化の副産物として銀座地区を通る東京高速道路を空中回廊「スカイコリドー」とする提言書案が公表されている。内容を見ておく(2020/11/30)。
(東京都)
東京高速道路概要
(東京都)
・銀座地区を取り囲むように立ち並ぶ14棟の建物の屋上部分に位置。
・道路運送法上「自動車専用道路」
・店舗に貸し付けて自動車道事業の財源にしている
目指すべき将来像目標年次
2030〜2040年代
・日本橋周辺の首都高地下化、完成まで15〜20年
・東京都上位計画の目標年次=2040年代
既存施設のあり方評価
東京高速道路の既存施設のあり方検討会(以下「検討会」)が6回の会議を経て、将来の形態を比較評価。
(KK線の形態)
①保全
(提言案)
②区間撤去
③全部撤去
(KK線の機能)
④歩行者系機能
⑤歩行者系機能+モビリティ機能
⑥モビリティ機能
提言
既存施設保全①+新たな用途(歩行者系機能等④⑤)への転換検討
3つの将来像
①高架道路の形態を生かした広域的歩行者系ネットワーク構築
(提言案)
②連続する屋外空間を生かした大規模な緑のネットワーク構築
(提言案)
③既存ストックをいかした地域の価値と魅力の創造
(提言案)
将来像実現への5つの整備・誘導の考え方(小項目は抜粋)
①高架施設の特徴を生かす
全長2キロの線的・連続性ある空間を人中心の公共的空間として整備
高架施設と地上、周辺設備を無理なくつなぐ施設設備を整備
地域防災力向上の施設設備を整備
既存施設ないの店舗に配慮
②歩行者系ネットワーク形成
周辺の歩行者ネットとの接続に配慮
次世代モビリティ走行可能な空間を配慮
地上、地下、高架施設を結ぶ縦動線は、駅などの交通結節点、主要街区、公園などとの連続性に配慮
③みどりとオープンスペースの形成
周辺エリアのまとまったみどりと一体となった緑のネットワーク整備
誰もが楽しめる多様なオープンスペース整備
既存施設の構造に配慮した植栽計画
夜間利用可能な機能配置
④地域の歴史や魅力をいかす
⑤周辺街づくりとの連携
主な留意事項
①将来施設の公共性に関する法制度上の担保
現在の位置付けに代わる施設の公共性の担保方法(都市計画など)
②再生に向けた事業スキーム
事業主体、事業手法
③広域的回遊性を高める観点からの周辺歩行者ネットワーク接続の仕方
KK線端部のあり方
④首都高大規模更新事業など関連事業との調整
首都高大規模更新事業、周辺のまちづくりなどとの計画、工程などの調整
感想・まとめ
提言案には想定される次世代モビリティについても掲載されていて、夢がある内容となっている。周辺とのネットワーク構築をしつつ銀座地区とその他の地区を「緑の帯」で視覚的に区切る、というイメージだろうか。
整備手法として、隣接地の開発事業者が一体開発、もしくは域外開発するパターンが有力か。
(提言案)
いつも思うけど、料理に使う食材を選ぶこの段階が一番夢があるかな。
現実の壁はそれなりに高いとは思うけど。
死ぬまでに実現するかレベルの時間がかかるでしょう。