カジノを含む統合型リゾート(IR)の立候補申請期間が示され、東京都の立候補がもう間に合わないのではないかという可能性を指摘した報道があった。なお、バランス的に良いと思っていた北海道は撤退の見通し(2019/11/28)。
記事概要
青海エリアのIRイメージ
(東京都)
東京都「ベイエリアビジョン」の検討を進める官民連携チームの最終提案「11Colors」の項目の1つに「江東区青海でのMICE、IR」がある。
記事が注目したのは「IR」。
IRに関する「各候補地の管轄行政から国への申請期間」は「2021年1月〜7月末」と公表されているが、残り18カ月では調整が間に合わないのではないかという声が出ているという内容。
IRに関する最終提案内容(11Colors)
(東京都)
★:MICE、IRが想定されている場所。
官民連携チームの最終提案(11Colors)では
・東京国際クルーズターミナルが近接し、既に商業施設等も集積している青海エリアにおいて、東京の国際競争力強化と「稼ぐ東京」のために MICE、IR施設を整備し、国内外から人を集める。
・水辺や公園との一体的な整備運営、劇場等の文化交流施設の集積、日本の魅力や技術を発信するデザインミュージアム、日本の食文化を発信 するフードコートなど、IRというスキームを活用するなどして、単体では収益性の低い施設の整備や大胆な空間整備などを実現。
・国内外のMICE、IR施設との差別化を図り、環境、最先端技術、食など、日本の強みを生かし、娯楽イメージの強い従来型施設とは異な る特徴づけや魅力づけを行う。
となっていた。
検討過程
IR誘致を国に申請するには、まず東京都としての方向性を打ち出さなければならないため、IRを含む「ベイエリアビジョン」の行方が気になった。
2019年10月下旬に行われた東京都庁の検討会議では「長期戦略」と「東京ベイエリアビジョン」の関係性がテーマになったようだ。
「東京ベイエリアビジョン」について
都市づくりのグランドデザインを踏まえ、臨海副都心などの計画を次のステージに進めるという位置付けのもの。
2020年ごろ 最終的取りまとめ時期
東京2020大会のレガシーを反映した東京ベイエリアビジョンの策定を進める
「長期戦略」について
ソフト・ハードの両面からの東京都の長期的計画。2019年8月に「未来の東京」への論点発表。2040年の将来像実現を想定し、2030年に向けた検討課題を示した。
2019年末目途 長期戦略ビジョンで取り組むべき目標、政策の柱を示す予定
小池知事は当初、2019年末に取りまとめる方向を示していたが、記事では、東京都によるベイエリアビジョンの策定は、東京都知事選後の「2020年9月以降」に変化したと指摘した。
変化の背景
東京都議会
・都民ファーストの会ではIRの話は知事選までタブー
・公明党は女性を中心にIRに忌避感が強いとされる
そのほか
残り18ヶ月。「IR事業者、不動産などの関係業界、地元関係者との調整はとても終わらないという見方が多い」(記事)
参考:今後のスケジュール(遅延見通し)
2019年
7月 カジノ管理委員会設置(国)
後半 基本方針の策定・公表(国)
年末 実施方針の策定.公表(管轄自治体)
2020年
前半 IR事業者の公募.選定(管轄自治体)
区域整備計画の申請・認定(管轄自治体)
後半 区域整備計画の認定・公示(国)
実施計画の締結(管轄自治体)
カジノ免許申請(IR事業者)
2021年
カジノ免許付与(国)
2024〜25年
IR開業
参考:北海道は撤退見通し(2019/11/28)
道、IR誘致断念へ 29日に知事表明 道議会自民、意見集約見送り:北海道新聞 どうしん電子版 https://t.co/NEZSi6zJGu
— どらったら! (@Chuoinfom) 2019年11月28日
感想・まとめ
IRはもともと地方振興の意味合いが強かったはず。当面3箇所に限られることになっているが、バランスとしては大都市1、地方都市2ぐらいでいいと思っている。東京が間に合わなくても構わないし、なくてもどうにでもなるだろう。
これは何度も書いたな。それにしても北海道の撤退はやや意外だった。
参考
www.seisakukikaku.metro.tokyo.lg.jp