どらったら!!

東京都中央区、江東区の臨海部を中心としたメモ。独自の情報を除いては、報道ベースではなく、発表主体の情報をベースに書くことを基本にしています。最近はゲリラ的な花火大会情報も提供。

#341 「未来の東京」戦略ビジョンをみる

東京都が目指す2040年代の姿「ビジョン」と、実現のための2030年に向けて取り組む課題を示したという「未来の東京ビジョン」。出来が悪いので読まなくていいと思う(2019/12/30)。

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(東京都)

概要

全310ページ、4章構成

2章で2040年代の東京の姿

 ビジョン1〜ビジョン20

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(東京都)

 

3章で2030年に向けた戦略が書かれている。

 戦略1〜戦略20

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(東京都)

  ビジョンと戦略の数が一緒なのに1対1で対応しておらず、ビジョンNの実現のための戦略N、という構成になっていない。戦略1〜7あたりはビジョン1〜7に対応しているが、そのあとは戦略とビジョンがバラバラ。

 目次を見て読む気をなくした。

 

例:交通ネットワーク

興味がある部分から2章の「ビジョン10 交通ネットワーク」の一部を取り上げる。

目指す2040年の姿として、3つの大項目が書かれている。

①世界最高の道路と鉄道のネットワークが構築され・・・

羽田空港では処理能力が拡大し、ビジネスジェットの発着枠も十分確保

③略

 

どう実現するかは「戦略」を見ればあるかと思うと・・・

・・・

2030年までに取り組む課題をしめしたのが3章。

鉄道ネットワークについて3章から探してみると・・・

ビジョン10に対応するのは「戦略9 都市の機能をさらに高める戦略」。

 

「国際競争力強化・快適通勤の実現などに資する鉄道ネットワークの整備充実等を推進・・・」と書かれていて、2030年に向けた政策目標は、ホームドアの整備/案内サイン統一化。

 

 もう少し読むと「公共交通ネットワークのさらなる充実」という項目があった。

 交通政策審議会答申で触れられた路線について「調整が整った路線から順次着手」と書かれていて、調整が進んでいる順に概ね4つに分類されている(169ページ)。

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(戦略ビジョン)

 

進度順に①>②>③/④だろうか。

①「関係者との協議・調整加速」

羽田空港アクセス線の新設(JR)

②「事業化に向けた」〜

 多摩都市モノレール箱根ヶ崎方面・町田方面)/東京8号線延伸/東京12号線延伸/新空港線の新設

③「事業計画の検討」

 都心部・臨海地域地下鉄構想/都心部・品川地下鉄構想

④「仕組みづくり」

 中央線の複々線

 

各項目に目新しさはなく、過去のエントリでもっと詳しく触れている話。

東京都が国に対して出した要望の主なものについて

①優先6路線(新)

「事業化に向けて検討を進めるべき」とされた6路線の整備に向けて、事業スキームを早期構築する。補助制度の活用、拡充、財源確保など必要な措置をとること

②構想2路線(新)

都心部・臨海地域地下鉄構想」と「都心部・品川地下鉄構想」について、事業スキームの早期構築に向け積極的に支援すること

③ 新しい鉄道整備の仕組み作りの検討(継続)

整備効果はあるものの、採算性に課題があるとされた「JR中央線の三鷹立川駅間の複々線化」などの路線は新しい整備の仕組み作りを検討をするなど必要な措置をとること

#301 臨海地下鉄新線の事業スキーム支援を要望 国への最重点要望で東京都 - dorattara! Season4

 

次にビジネスジェットの項目を探す。

「都市間競争に打ち勝つ空の港・海の港プロジェクト」という項目があった。

 羽田空港の2020年以降のさらなる機能強化、それに合わせたビジネスジェットの発着枠拡大を国に要請するとあった。

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(戦略ビジョン)

 2040年の姿として「羽田空港では処理能力が拡大し、ビジネスジェットの発着枠も十分確保」を掲げ、2030年への課題は「羽田空港の2020年以降のさらなる機能強化、それに合わせたビジネスジェットの発着枠拡大を国に要請」。

 

 戦略ビジョンの資料では2030年まで羽田空港発着枠が拡大されない(下のグラフの橙色の部分)ので、東京都のアクションとしては「羽田の発着枠拡大+ビジネスジェット発着枠拡大」の要請ということになる。

 物理的な運用限界に近い羽田でどう実現するつもりだろうか。

 調布飛行場で実現させたりして。

東京国際クルーズターミナル拡張について(新規?)

2030年までに東京国際クルーズターミナルの2バース体制実現を目指すことが示されている。すると、晴海客船ターミナルの解体は10年以内、ということになる。

感想・まとめ 

目標と戦略が対応していない謎の資料。

本来、わかりやすいまとめであるべきなのだが、構成を含め全般に出来が悪く、内容も薄い。必要な情報にたどり着くのがかなり難しい。目新しい要素を探すのが大変で、かろうじて東京国際クルーズターミナルの拡張の項目に気づいた程度。

 

担当者も、これまでの発表資料を定型のフォーマットに整えて文章を流し込む程度の作業だったのではないか。

 

みなくていいと思うわ。 

参考 

www.seisakukikaku.metro.tokyo.lg.jp