東京都中央区が第二期となる「無電柱化計画」を公表した。計画期間は2028年度までの10年間。内容を確認しておく(2019/10/23)。
無電柱化計画概要
中央区の無電柱化率の現状(2019年3月末)
(中央区)=緊急道路障害物除去路線
路線延長(歩道幅員2・5メートル以上+2・5メートルに拡幅できる路線の延長
60810・7メートル
無電柱化済路線延長
38844・6メートル
無電柱化率
63・8%
計画期間
2019年度〜2028年度(10年間)
無電柱化方式
電線共同溝方式
路線選定の基本的な考え方
地上機器が設置可能な歩道幅員2・5メートル以上を確保可能な路線
①防災対策の重要性が高い(緊急道路障害物除去路線)
②防災に寄与する(避難場所、災害拠点病院等と国道・都道を結ぶ連絡路線等)
③効率性や効果が高い路線(歩道拡幅、新設、大規模開発と合わせて整備可能な路線等)
整備目標
路線延長で年間 約400メートル(10年間 約4キロ)
歩道幅員2・5メートル以上確保可能な道路については無電柱化率100%を目指す
課題
①設置スベース確保(歩道幅員2・5メートル未満では整備困難)
②工事期間が長い(設計・手続きから最終まで5〜6年=200メートル)
③整備費用(本体工事、埋設管移設、電力線などの引き込み管設置など)
経緯
1995年 3月 国:電線共同溝の整備等に関する特措法
1998年 区:中央区電線類地中化整備計画
2001年 区:改定中央区電線類地中化整備計画
2008年 区:中央区無電柱化計画
2014年12月 都:無電柱化推進計画
2016年12月 国:無電柱化の推進に関する法律
2017年 9月 都:無電柱化条例施行
2018年 3月 都:無電柱化計画
2018年 4月 国:無電柱化推進計画
2019年 3月 区:第二期中央区無電柱化計画
都:改定無電柱化計画
感想・まとめ
10年間で毎年400メートル、計4キロしか整備しないの?と思ったが、国、都の管轄を別にして、区道レベルですでに2/3の整備が終わっている。仮に4キロの整備が終わるとすると、無電柱化率は62・8%→70・5%前後まで上昇する計算。
緊急道路障害物除去路線を見ると、隅田川以北の新大橋通りより山手線側ははほぼ終了。隅田川沿いで整備されたのは半分ぐらいか。聖路加病院周辺などに未整備が残る。中央区島部(月島地域)に限ってみると、晴海で未整備なのは2箇所。黎明橋公園通りと、晴海小・中学校前の区道のみ。一方で、勝どき・豊海町は未整備区間が非常に多く、佃・月島地区もほぼ未整備。
自然災害の激化を踏まえると、区担当の清澄通り区間(勝どき・豊海町)と隅田川沿い(聖路加病院周辺など)を急いでほしいかな。
参考