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東京都中央区、江東区の臨海部を中心としたメモ。独自の情報を除いては、報道ベースではなく、発表主体の情報をベースに書くことを基本にしています。最近はゲリラ的な花火大会情報も提供。

#241 日本の都市特性評価2019をみる 都市戦略研報告書 2019年9月

森記念財団の都市戦略研究所が、日本国内の都市(主要72都市+東京23区)の特性を客観的に評価するための報告書「日本の都市特性評価2019」を取りまとめた(2019/09/10)。

 

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(都市戦略研究所)
 
 
※ただし、本エントリで取り上げるのは東京23区についてのみ。 

「日本の都市特性評価2019」概要

背景・目的

 少子高齢化と急激な人口減少が見込まれる中、日本全体が活力を持ち続けるために、各都市がそれぞれの特性を生かして都市作りを進める必要。都市の力を客観的に把握し、都市戦略の立案と実行がもとめられる。このため都市の強みや魅力などの都市特性を明らかにするための調査研究を実施。
 

対象都市

・県庁所在地
・各都道府県で人口規模3位までの都市(人口20万以上、昼夜間人口比率規定あり)
(主要72都市)
 ・東京23区
 

評価項目 26指標グループ、83指標

・経済ビジネス 6指標グループ 20指標
・研究開発 2指標グループ 4指標
・文化交流 5指標グループ 16指標
・生活居住 7指標グループ 24指標
・環境 3指標グループ 10指標
・交通アクセス 3指標グループ 9指標
 

スコア算出方法

 83指標について、最大値100、最小値0として指数化。
 指標グループごとの平均値算出
 
→指標グループごとの平均値を分野ごとに合計し各分野のスコアに
 →6分野のスコアを合算し合計スコアに
 

合計スコア1000を超える上位7区の分野別順位

千代田区

 1410・4(前年①1351・5)

→「多分野で優れた東京の中心都市」

  経済ビジネス 1位(前年1位)

  研究開発   5位(5位)

  文化交流   2位(2位)

  生活居住   1位(2位)↑

  環境    5位(21位)↑

  交通     2位(2位)

②港区 

 1352・7(前年②1263・8)

→「文化、経済を筆頭に進化を続けるバランス型都市」

  経済ビジネス 2位(前年2位)

  研究開発   4位(4位)

  文化交流   1位(1位)

  生活居住   4位(5位)↑

  環境     4位(7位)↑

  交通     3位(3位)

中央区

 1247・9(前年③1240・3)

→「交通利便性と豊かな自然環境を誇る活気に満ちた街」

  経済ビジネス 3位(前年3位)

  研究開発   6位(6位)

  文化交流   8位(6位)

  生活居住   2位(1位)

  環境     2位(3位)↑

  交通     1位(1位)

④新宿区

 1160・2(前年④1110・5)

  経済ビジネス 5位(前年5位)

  研究開発   2位(3位)↑

  文化交流   3位(3位)

  生活居住   6位(6位)

  環境    16位以下(15位)↓

  交通     8位(6位)↓

⑤渋谷区

 1138・7(前年⑤1103・6)

  経済ビジネス 4位(前年4位)

  研究開発   9位(8位)↓

  文化交流   4位(5位)↑

  生活居住   5位(4位)↓

  環境    16位以下(16位以下)

  交通     4位(4位)

⑥文京区

 1111・6(前年⑥1075・2)

  経済ビジネス 9位(10位)↑

  研究開発   1位(1位)

  文化交流   6位(7位)↑

  生活居住   3位(3位)

  環境    15位(16位以下)↑

  交通アクセス 7位(7位)

江東区

 1000・2(前年⑩ 924・4)

  経済ビジネス 8位(前年11位)↑

  研究開発  14位(10位)↓

  文化交流   7位(8位)↑

  生活居住  16位以下(16位以下)

  環境     1位(2位)↑

  交通     9位(9位)

 

 

1年間の変化を視覚化

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(中の人作成)

 

中央区は伸び率が低く、第1グループ(千代田/港/中央)から脱落しかけている。

※第2グループ(新宿/渋谷/文京)は似たような伸び。

江東区はその下のグループから一気に抜け出しつつあるが、第2グループとは差がある。

 

項目別の強みと弱み

中央区

(偏差値75超)

・(経済ビジネス)ビジネス環境、財政

・(文化・交流)ハード資源、受け入れ環境

(偏差値25超50未満)
・(生活・居住)生活の余裕度、市民生活・福祉、健康・医療
(偏差値25未満)
・なし
 
江東区 

(偏差値75超)

・(環境)自然環境

(偏差値25超50未満)

・(経済・ビジネス)経済規模、人材の多様性、ビジネスの活力

・(研究開発)研究集積、研究開発成果

・(文化・交流)受け入れ環境、発信実績

・(生活・居住)健康・医療、居住環境、生活利便施設

・(環境)快適性

・(交通.アクセス)都市内交通

(偏差値25未満)

・なし

 

感想・まとめ

 都市特性評価の概要が発表されるようになったのは去年からじゃないかな。各区の弱みと強みを把握するのにいい資料。

 

 

 

中央区の弱点として「生活の余裕度」「健康・医療」「市民生活・福祉」が指摘されていた。

 

項目別の要素は次の通り。

「生活の余裕度」:可処分所得、物価水準の低さ、住宅コストの低さが要素。

「健康・医療」:医師の多さ、病院・診療所の多さ、平均寿命・健康寿命が要素。

「市民生活・福祉」:外国人住民の受け入れ態勢、要支援・要介護高齢者の少なさ、地域包括支援センターの多さが要素。

 

意外と思う部分がある反面、結構いいところを突いているような気がする。

 

参考

mori-m-foundation.or.jp

dorattara.blog.fc2.com