森記念財団の都市戦略研究所が、日本国内の都市(主要72都市+東京23区)の特性を客観的に評価するための報告書「日本の都市特性評価2019」を取りまとめた(2019/09/10)。
「日本の都市特性評価2019」概要
背景・目的
対象都市
評価項目 26指標グループ、83指標
スコア算出方法
合計スコア1000を超える上位7区の分野別順位
①千代田区
1410・4(前年①1351・5)
→「多分野で優れた東京の中心都市」
経済ビジネス 1位(前年1位)
研究開発 5位(5位)
文化交流 2位(2位)
生活居住 1位(2位)↑
環境 5位(21位)↑
交通 2位(2位)
②港区
1352・7(前年②1263・8)
→「文化、経済を筆頭に進化を続けるバランス型都市」
経済ビジネス 2位(前年2位)
研究開発 4位(4位)
文化交流 1位(1位)
生活居住 4位(5位)↑
環境 4位(7位)↑
交通 3位(3位)
③中央区
1247・9(前年③1240・3)
→「交通利便性と豊かな自然環境を誇る活気に満ちた街」
経済ビジネス 3位(前年3位)
研究開発 6位(6位)
文化交流 8位(6位)↓
生活居住 2位(1位)↓
環境 2位(3位)↑
交通 1位(1位)
④新宿区
1160・2(前年④1110・5)
経済ビジネス 5位(前年5位)
研究開発 2位(3位)↑
文化交流 3位(3位)
生活居住 6位(6位)
環境 16位以下(15位)↓
交通 8位(6位)↓
⑤渋谷区
1138・7(前年⑤1103・6)
経済ビジネス 4位(前年4位)
研究開発 9位(8位)↓
文化交流 4位(5位)↑
生活居住 5位(4位)↓
環境 16位以下(16位以下)
交通 4位(4位)
⑥文京区
1111・6(前年⑥1075・2)
経済ビジネス 9位(10位)↑
研究開発 1位(1位)
文化交流 6位(7位)↑
生活居住 3位(3位)
環境 15位(16位以下)↑
交通アクセス 7位(7位)
⑦江東区
1000・2(前年⑩ 924・4)
経済ビジネス 8位(前年11位)↑
研究開発 14位(10位)↓
文化交流 7位(8位)↑
生活居住 16位以下(16位以下)
環境 1位(2位)↑
交通 9位(9位)
1年間の変化を視覚化
(中の人作成)
※中央区は伸び率が低く、第1グループ(千代田/港/中央)から脱落しかけている。
※第2グループ(新宿/渋谷/文京)は似たような伸び。
※江東区はその下のグループから一気に抜け出しつつあるが、第2グループとは差がある。
項目別の強みと弱み
中央区
(偏差値75超)
・(経済ビジネス)ビジネス環境、財政
・(文化・交流)ハード資源、受け入れ環境
江東区
(偏差値75超)
・(環境)自然環境
(偏差値25超50未満)
・(経済・ビジネス)経済規模、人材の多様性、ビジネスの活力
・(研究開発)研究集積、研究開発成果
・(文化・交流)受け入れ環境、発信実績
・(生活・居住)健康・医療、居住環境、生活利便施設
・(環境)快適性
・(交通.アクセス)都市内交通
(偏差値25未満)
・なし
感想・まとめ
都市特性評価の概要が発表されるようになったのは去年からじゃないかな。各区の弱みと強みを把握するのにいい資料。
・千代田区 6項目の最低が5位以内。経済ビジネス、生活居住の2冠
— どらったら! (@Chuoinfom) September 10, 2019
・港区 6項目の最低が4位、文化交流1位
・中央区 6項目の最低は6位。生活居住は首位陥落(4位)、交通は1位
・江東区 環境は1位に(前年2位)。他は7位以下。特に生活居住は16位以下。
上位3区はバランスがいい。
中央区の弱点として「生活の余裕度」「健康・医療」「市民生活・福祉」が指摘されていた。
項目別の要素は次の通り。
「生活の余裕度」:可処分所得、物価水準の低さ、住宅コストの低さが要素。
「健康・医療」:医師の多さ、病院・診療所の多さ、平均寿命・健康寿命が要素。
「市民生活・福祉」:外国人住民の受け入れ態勢、要支援・要介護高齢者の少なさ、地域包括支援センターの多さが要素。
意外と思う部分がある反面、結構いいところを突いているような気がする。