三井不動産が「創業の地」日本橋エリアですすめる「再生計画」について、新しいステージとなる「第3ステージ」が始まったということなので、簡単にまとめておく。2004年にスタートした第1ステージに始まり、2019年にスタートする第3ステージまでが明らかになっている(2019/08/29)。
(三井不動産)
ステージ別開発物件
(三井不動産)
日本橋の衰退と「再生計画」
1990年代後半 山一證券倒産、東急百貨店閉店などで金融・商業の中心性失う
2004年 「再生計画」第1ステージ開始 コレド日本橋開業
2014年 第2ステージ開始 コレド室町2、3開業
2019年 第3ステージ開始 コレド室町テラス開業
開発コンセプト「残しながら、蘇らせながら、創っていく」
「日本橋再生計画第1ステージ」
商業・オフィス等が融合したミクストユースの施設開発を展開
「日本橋再生計画第2ステージ」
「産業創造」
製薬系企業が多く立地する特性
→ライフサイエンスイノベーション分野での産業創造を進める
第2ステージの重点領域は「ライフサイエンス」
「界隈創生」
(三井不動産)
・歩きたくなる路地空間を創造。賑わいの連続例を生み出す
・地域の多様な魅力発掘
・地域のコミュニティ拠点整備
・日本橋イーストエリアのモデル事業:1階に店舗誘致→路面の賑わい
「地域共生」
・古くからのコミュニティ、文化を後世に受け継ぎ、そこに関われるまちを目指す
・居住者、来訪者らが万一の時に安心して滞在できる機能と仕組み
「水都再生」
・日本橋を水都東京の拠点として再生する
・2011年 日本橋船着場整備
・首都高の地下化決定
「日本橋再生計画第3ステージ」
スタート時期 2019年 日本橋室町三井タワー竣工」
展開エリア GREATER日本橋
(三井不動産)
・旧日本橋区を昭和通りを境に東西に分け、個性の異なる量エリアの一体的なまちづくりを目指す
まちづくりの考え方
共感・共創・共発
3つの重点構想
①豊かな水辺の再生
・5つの再開発計画
敷地面積約6・7ヘクタール、施設の延床面積約37万坪
・再開発計画終了と首都高地下化
→川幅含め100m、全長1・2キロの親水空間
(三井不動産)
2つのネットワーク(歩行者/舟運)
・親水空間と歩行者ネットワークにより、東京駅周辺と日本橋エリアを一体化
(三井不動産)
・日本橋をハブとする舟運ネットワーク(※豊洲新市場と晴海に注目)
(三井不動産)
②新たな産業の創出
・継続分野 ライフサイエンス
・新規分野
宇宙
モビリティ→日本橋は水陸の要所。新たな都市サービスの提供
食→魚河岸を核とした江戸の食文化の街。食文化継承と革新に挑戦
③世界とつながる国際イベントの開催
(三井不動産)
・三井不動産所有のホール、公共空間などを繋いでまち全体をイベント会場化。ビジネスとエンターテイメントが融合した大型イベント開催を検討
感想・まとめ
一番目を引いたのは、やはり「舟運」。
日本橋を核とした舟運ネットは、豊洲の千客万来施設の正面船着場を想定したとみられる内容になっている。地図にはプロットされていないが「晴海」の文字もある。時間軸がかなり長い。
(万葉倶楽部)=再掲
方向性は示されたので、具体的な計画に落とされていった段階で評価する話かな。
あと、旧日本橋区の範囲が
「住所に日本橋を冠する21町+八重洲1丁目」というのは知らなかった。
まあ、とてもわかりやすい。
参考