1台で2台分の輸送容量を持たせた「ダブル連結トラック」の共同運行が2019年4月から新東名高速で行われていたが、8月からは東北自動車道や東名自動車道なども対象路線となった。これにより東北地方から九州地方までがダブル連結トラックの走行範囲になった(2019/08/09)。
(国土交通省)
運行の背景
トラック輸送で深刻なドライバー不足が進行(50歳以上が37%)
→将来の隊列走行と自動運転を見据え、特赦許可基準を緩和。1台で2台分の輸送が可能なダブル連結トラックの導入で省人化を促進する。
走行エリアの拡大
(国土交通省)
開始日 2019年8月8日
従来 新東名高速 海老名JCT〜豊田東JCT
今後 上記に加え
山陽自動車道
ダブル連結トラック(特車許可基準緩和で可能に)
(国土交通省)
「ダブル連結トラックに関する特車許可基準」は、現在21mが上限となっている車両の長さについて、次のように緩和された(2019年1月)。
・一定の条件を満たす場合25m(一定の条件:新東名高速道路の海老名〜豊田東を主な経路とする車両で、ETC2・0を装着)
現状ではダブル連結トラックが走れるのは新東名高速がメイン。どこでも走れるわけではない。
車両諸元の比較
(国土交通省)
全長約25mの車両は最大積載量、必要ドライバー数などが大型トラックの2倍かそれ以上となっている。
(参考)新東名での実験結果について
省人化・環境負荷低減効果(高速道)
(国土交通省)
同じ重量を輸送する場合、通常の大型トラックに比べドライバー数は半減
CO2排出量も半減
走行安全性(高速道)
(国土交通省)
走行車両一台ごとの速度は通常トラックとダブル連結トラックに差はない
カーブ区間の急ブレーキは発生せず
交通流への影響(一般道)
(国土交通省)
左折時の通過時間は大型トラックの2倍
後続車の旅行速度は大型車の1/3に低下
交通流への影響は確認されず
※N=1とかN=2とかでサンプルが少なすぎる。
中継輸送実験(2016年実施)
実験期間 2016年11月22日〜2017年9月30日
実施箇所 新東名高速道路 清水PA
使用車両 21M車両
(国土交通省)
検証結果
(国土交通省)
中継輸送実施により直行便と比べて自宅での休憩時間3割増加
高速道路上の乗り継ぎにより営業所への往復時間が約30分短縮
感想・まとめ
予告したとおり、走行路線の拡大が行われた。
ダブル連結トラックの増車は順次行われていくのだろう。
自動運転・隊列走行も早く始まるといい。
(参考)
参考
ダブル連結トラックの対象路線を拡充(国土交通省、2019年8月)
ダブル連結トラックによる共同輸送が始まります!(国土交通省、2019年3月)
「ダブル連結トラック」の本格導入を本日よりスタート(国土交通省、2019年1月)