「専用レーンがないからBRTではない」などと物議?を醸してきた「BRT」について、国土交通省が2022年9月7日に発表したガイドラインの中でBRTの4分類を示した。東京BRTは「高い輸送力を有するBRT」に該当する。ここでは東京BRTに注目してガイドラインの内容を確認する(2022/09/09)
BRTの定義
走行空間、車両、運行管理等に様々な工夫を施すことにより、速達性、定時性、輸送力について、従来のバスよりも高度な性能を発揮し、他の交通機関との接続性を高めるなど利用者に高い利便性を提供する次世代バスシステム
BRTに求められる性能
①速達性、定時性、輸送力の1つ以上が従来のバスより高度
速達性
従来の路線バスより早い所要時間での輸送サービス実現
※バス専用/優先レーン、PTPS、運賃収受の工夫を含む
定時性
移動時間の高い信頼性確保
※一元的運行管理システム度運輸による所要時間管理、所要時間・乗り換え接続等の情報案内システム等
輸送力
多くの利用者に効率的でストレスのない輸送サービス提供
※連節バス導入、高頻度運行の実現等
②利用者に高い利便性を提供(必須)
利便性
複数の交通モードとの接続強化などの工夫
BRTの構成要素
バス車両/走行空間/停留所/運行管理システム/情報案内システム
参考 各交通機関の特徴
※BRTのカバー範囲は1時間あたり5000人までの輸送力と時速30キロまでの表定速度。都心部では表定速度は落ちるだろう
BRTの4分類
ガイドラインではBRTを表定速度が時速15キロのラインと、1日の輸送密度500人のラインで分けて4グループに分類した。これは表定速度と輸送密度をBRT全体の中央値で線引きしたもの。
※グラフから東京BRTは表定速度は時速12キロ、輸送密度が1日900人程度と見られ、第2グループ「高い輸送力を有するBRT」に属する。
東京BRTの第2グループ「高い輸送力を有するBRT」について
特徴 連節バス、PTPS、快速運行
概要 専用走行空間やバス優先レーンの整備が難しい場合、PTPS や快速運行等により速達性を高めつつ、連節バスや高頻度運行等により、多くの利用者を輸送することを可能としている
連節バスを用いることで、路線バスに比べ少ない車両台数・運転手で、多くの利用者を輸送することができる。時間帯や方向が異なる交通需要に対し、それぞれの地域のピーク需要に合わせた連節バスの導入台数や運行頻度を決める必要がある。
東京BRT 基本情報
東京BRT 導入経緯
・東京都の臨海部(勝どき・晴海・豊洲・臨海副都心などの地区)では、東京 2020 大会の開催、豊洲市場の開場、その後の環状第 2 号線の整備などに加え、住宅開発などの建築工事も盛んに行われている。また、当該地域全体で、将来的には常住人口、就業人口ともに10万人以上の増加が見込まれることから、今後、公共交通に対する需要が更に増加することが確実な状況である。
・こうした一帯の交通需要の増加に対応し、地域の発展を支える新しい公共交通機関として、臨海部と都心を結ぶ BRT のプレ運行が2020年10月から開始された。
東京BRT 運行効果
(現状)
・環状第 2 号線本線トンネル開通前に、本格運行への円滑な転換を図るとともに、臨海地域の需要増に対応するための先行的な運行(以下「プレ運行」という。)を行っている。
・プレ運行は、まだ、速達性・定時性が十分に確保できない段階であり、表定速度は11~15km/h 程度、輸送力は450人程度/時となっている。(今後)
・東京2020大会後の選手村のまちびらきなど今後の交通需要の増加も見据え、2022年度以降に本格運行を開始する予定であり、本格運行では、公共交通優先施策や運賃収受の工夫による停車時間の短縮などを図ることで、速達性・定時性を確保に取り組むこととしている。
・運行ルートについては、周辺開発や需要増に合わせて、新たなルートや停留施設等を設置することも検討している。
感想・まとめ
BRTと呼ばれるためには、従来の路線バスとの比較で、いろいろな工夫により速達性、定時性、輸送力、利便性を向上させればいいってことらしい。
第2グループ「高い輸送力を有するBRT」に位置付けられた東京BRTはプレ運行段階の評価なので、本格運航で表定速度が時速15キロを超えてくるようになると第1グループ「高い速達性・輸送力を有するBRT」に移行することになる。
ただ、高い輸送力を持っていても乗車する人が増えてくれないことには宝の持ち腐れになってしまう。もっと使わなくちゃねえ。
参考